教皇、南スーダンの避難民に励まし「皆さんは国の発展の種」
教皇フランシスコは、2月4日、南スーダンの首都ジュバのフリーダム・ホールで、同国の国内避難民らとお会いになった。
この出会いは、イングランド国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教、スコットランド国教会の総会議長イアン・グリーンシェルズ牧師と共に行われた。
会場には、南スーダン独立後も続く紛争や対立、自然災害などのために、ジュバをはじめ、ベンティウ、ワウ、ボル、マラカルなど、同国内各地の避難民キャンプでの生活を余儀なくされている人々の代表が集った。また、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)の関係者らも出席した。
集いでは、グリーンシェルズ牧師、ウェルビー大主教による祈り、各地の避難民キャンプの様子を撮影したビデオの上映などが行われ、特に、避難民キャンプで暮らす青少年たちの体験と思いが語られた。
避難民キャンプの子どもたちは、教育の機会の不足や、仕事のない両親、奪われた普通の生活と貴重な少年期などに触れながら、平和への望みを表した。
こうした中、教皇は集いの言葉で、暴力を止め、人々が尊厳ある生活を取り戻せるよう、平和プロセスの再開とあらゆる紛争の終結を強くアピールされた。
平和があってこそ、安定と正義によって社会の発展と再統合を可能にすることができる、と述べた教皇は、ここ数年、多数の子どもたちが自らのルーツや伝統を失い、避難民キャンプの世界しか知らずに暮らしていることに、「もう待っていることはできない」と、平和への具体的努力を訴えられた。
教皇は、子どもたちが開かれた社会で様々な人々と交わり、自分の民族の言語だけでなく、皆と一緒に話せる共通語も学び、和解した兄弟的な愛の美しさを知るために、自分と異なる人々を受け入れる「冒険」を体験することが必要と説かれた。
そして、こうしたすべてを可能とするためには「平和が、皆の助けが必要」であると強調された。
平和に共存する国への変革の鍵として、教皇は特に女性・母親たちの存在を指摘。同時に、すべての女性・少女たちの保護と尊重を皆に願われた。
教皇は避難生活を送る人々に、「皆さんは、新しい南スーダンを豊かに発展させるための種です」と話し、悪に悪で返さず、兄弟愛と和解を選び、より良い未来を築いて欲しい、と励まされた。
さらに、教皇は南スーダン国外の避難民にも寄り添いを伝えられ、「皆さんが帰国し、この国の未来を担う主役となることを祈っています」と話された。
最後に教皇は、ウェルビー大主教、グリーンシェルズ牧師と共に、南スーダンの子どもたちのために特別な祝福をおくられた。