「第1回世界子どもの日」に向け教皇メッセージ
教皇フランシスコは、今年5月25日と26日の両日に開催される、カトリック教会の「第1回世界子どもの日」に向け、メッセージを発表された。
教皇は2023年11月、教皇庁文化教育省が企画した世界五大陸の子どもたちとの集い「子どもたちから学ぼう」を主宰された。
それから1ヶ月後、同年12月8日、教皇は無原罪の聖マリアの祭日の正午の祈りで、「第1回世界こどもの日」の開催を予告。「子どもたちに、わたしたちはどのような世界を伝えたいのか」を考え、「イエスのように、わたしたちも子どもたちを中心に置き」その成長を見守り、支える必要を説かれた。
教皇は初めて行われるこの「世界こどもの日」に向け、子どもたちをはじめ、すべての人々にメッセージをおくられた。
この中で教皇は、「聖書が教え、イエスが何度も示されたように、皆さんは神の御目に『尊い』ものです」と子どもたちに話しかけている。
同時に、教皇はすべての人々に「皆さんは大切な存在です」と呼びかけながら、「わたしたちは皆、子、兄弟であり、誰かがこの世に生んでくれなければ、誰も存在することはできず、愛を与え受け取ってくれる他者がいなければ、誰も成長することはできない」ことを思い出させている。
教皇は「ご両親と家族の喜びである皆さんは、人類と教会にとっても喜びです」と強調。
人はそれぞれが過去から未来へと続き地上を覆う長い鎖の一つの輪のようにつながっており、そのためにも、両親や祖父母のような年上の人々の話に耳を傾けることが大切、と教皇は子どもたちに勧めている。
また、皆さんのようにまだ小さい頃から、病気や戦争、暴力や飢餓に苦しんでいる子どもたち、難民となり親から離れた子どもたち、学校に行けない子どもたちがいることを忘れないようにしましょう、とも招いている。
教皇は、「わたしたちや世界を新たにするには皆が一緒にいるだけでなく、イエスと一致していなくてはなりません」と述べ、イエスから勇気をもらい、聖霊に導かれる必要を説いている。
「見よ、わたしは万物を新しくする」(黙示録21,5)というイエスの言葉を、教皇は「第1回世界子どもの日」のテーマとして紹介。
イエスと共にいるならば、わたしたちは新しい人類を夢見、より兄弟愛に満ち、地球に配慮した社会のために努力することができるでしょう、と記している。
教皇は、「本当に幸福になりたいならば、毎日、大いに祈らなければなりません」と述べ、祈りはわたしたちを神と直接つなぎ、心を光と温かさで満たし、すべてを信頼と落ち着きのうちに行うことを助けてくれる、と教えている。
こうした中、教皇は、いつも御父に祈っておられたイエスのようにわたしたちも祈り、5月に行われる「世界こどもの日」を準備するために、特にイエスが教えてくださった「主の祈り」を唱えてください、と子どもたちに願っている。
わたしたちをいつも愛される神は、父親たちの最も愛情深い眼差し、母親たちの最も優しい眼差しを持っておられ、決してわたしたちを忘れず、聖霊をもってわたしたちを見守り、新たにしてくださいます、と教皇は記された。