教皇フランシスコ、子どもたちとの対話の集いで 2024年5月11日 バチカン・シノドスホール 教皇フランシスコ、子どもたちとの対話の集いで 2024年5月11日 バチカン・シノドスホール  (Vatican Media)

教皇、子どもたちと平和や兄弟愛をめぐる対話

教皇フランシスコは、「人類の兄弟愛をめぐる国際ミーティング」のプログラムとして、子どもたちとの対話に参加された。

 教皇フランシスコは、5月11日(土)、バチカンのシノドスホールで、子どもたちとの対話を持たれた。

 この催しは、ローマ市とバチカンを会場に行われた「#BeHuman人類の兄弟愛をめぐる国際ミーティング」のプログラムの一環として行われた。

 「子どもたち:未来の世代」とタイトルされた集いでは、前半、子どもたちの司牧イベントに携わる教会関係者らが、平和や兄弟愛の種を子どもたちの心に早くから、しかしゆっくりと育てること、また戦争や紛争ではなく友愛が勝る社会のために大人たちが逆に子どもたちから学ぶことの大切さなどについて話した。

 また、バチカンが運営する小児科総合病院バンビーノ・ジェズ病院の関係者は、遠隔治療のネットワーク作りを通して世界中の子どもたちのケアを支援する計画を紹介。

 聖エジディオ共同体の代表は、戦争の一番の犠牲者である子どもたちの苦しみに慣れることが決してあってはならないとアピールした。

 後半に行われた子どもたちとの対話で、教皇は「幸せとは何ですか」と質問。子どもたちは「世界が家族のように一致していること」、「平和」などと回答。

 「幸せはどこで買えますか」という問いに、ある児童が「幸せは買えません。わたしたちの心の中から生まれます」と答えると、教皇は「ブラーヴォ、ブラーヴォ」と感心したご様子だった。

 「幸せが買えないのならば、どうしたら幸せになれますか」という教皇の問いには、「皆が元気でいることで」、「平和になった時に」、「親切な言葉によって」など、子どもたちは思い思いに答えていた。

 食べ物もなく爆撃におびえている、戦争の中にいる子どもたちについて教皇は話しながら、「戦争でこちら側にいる子どもにとって、あちら側にいる子どもは、敵ですか」と問いかけると、子どもたちは「違います。戦争は彼らのせいではないから」「皆、家族だから」と率直に回答していた。

 一方で、子どもたちからの「どうしたら友だちが作れますか」との質問に、教皇は「まず相手のためを思うことが必要です。相手を悪く思っていたら、どうやって友だちになれるでしょうか」と答えられていた。

 集いの終わりに、司会者から、カトリック教会の「世界子どもの日」を設けた理由を問われた教皇は、人類の未来はいろいろなことができる大人たちの世代にかかっていると思われがちだが、そうではなく、人類の未来の鍵は、二つの点、子どもたちと高齢者たちの中にある、と話された。

 

12 5月 2024, 19:50