「一致を保ち、愛と柔和の模範を」教皇、シリア・マラバル典礼関係者に
教皇フランシスコは、5月13日、シリア・マラバル典礼カトリック教会の信者たちとお会いになった。
この日、バチカンを訪れたのは、シリア・マラバル典礼のシノドの会長、ラファエル・タティル師に率いられた、インドの信者たちと、同典礼に所属するローマ在住の信者たち。
シリア・マラバル典礼カトリック教会は、ローマと一致した東方典礼教会の中で、最も大きく古い教会の一つとして知られる。
タティル大司教は、今年1月にインドのエルナクラム-アンガマリ大司教区の主席大司教に任命されたばかり。同教区では、ミサの形式をめぐって教会内に対立が見られたことから、教皇フランシスコは、昨年12月、分裂を回避するために、一致を呼びかけるビデオメッセージを同地の教会関係者におくられていた。
教皇はシリア・マラバル典礼の信者たちへの挨拶で、使徒聖トマスの殉教にさかのぼる、インドの教会の古い起源を思い起こしながら、「皆さんの信仰は古く、皆さんは使徒の教えの継承者である」と強調。
同教会の長く苦難に満ちた歴史の中では、同典礼の独自の伝統に対し、信仰を同じくする兄弟たちからでさえ無理解を受けることがあったが、それでもペトロの後継者(教皇)への忠実を失うことなく、今日こうして皆が集い、その信仰を励ませることをうれしく思うと話された。
こうした中、教皇は昨年末シリア・マラバル典礼の信者らにおくったビデオメッセージに言及。細部にこだわり、教会全体の善を考えない、分裂をもたらす誘惑に注意するように、あらためて願われた。
一致を保つことは単なる勧告ではなく、それは義務である、と教皇は述べ、特に従順の誓いを立てた司祭たちは、愛と柔和の模範を信者たちに示さなければならない、と話された。
「従順のあるところに教会があり、不従順のあるところにシスマ(分裂)がある。皆さんは従順であり、それは皆さんの栄光でもある。苦しみがあっても、前に進んで行こう」と教皇は同典礼の関係者らを励まされた。