ヴェローナ:教皇、サン・ゼーノ教会で司祭・修道者らとの集い
教皇フランシスコは、5月18日(土)、イタリア北部ヴェローナを司牧訪問された。
早朝、バチカンからヘリコプターで同市に到着された教皇は、最初の行事として、市内のサン・ゼーノ教会(サン・ゼーノ・マッジョーレ聖堂)で司祭および修道者らとお会いになった。
サン・ゼーノ教会は、ヴェローナの司教、聖ゼーノ(300-371)の墓の上に建てられた教会を起源とし、中世紀に何度かの再建を経た。今日見られるバラ窓が美しい聖堂は、12世紀前半に再建された際のロマネスク様式をそのままに伝えている。
集いの挨拶で、教皇はサン・ゼーノ教会内部の素晴らしい「船底天井」に言及。舟を想起させるこの教会の中に皆が一緒にいることは、すべての人に福音の喜びをもたらすために歴史の海を航海する、「主の舟」としての教会の使命を思わせる、と話された。
イエスは公生活を始められた頃、湖のほとりでシモンとアンデレ、ヤコブとヨハネという二組の漁師の兄弟をご覧になり、彼らを呼び、ついて来るようにと言われた。キリスト教生活の始まりは、主との出会いの経験であると述べた教皇は、この召し出しに対する驚きの心を決して忘れないようにと強調。
主との出会いの記憶を忘れるならば、わたしたちは主ではなく自分自身を中心に据え、人生を教会と福音への奉仕に捧げるかわりに、使徒職を自分の成功や、他者からの承認を追求するために用いることになると注意された。
復活されたイエスは、再び湖畔で弟子たちの前に現れ、夜通し漁をしても何もとれず失望している弟子たちに、再び網を打つようにと言われた。彼らが再び網を打つと、あまりの大漁に網を引き上げることができないほどであった。
教皇はこのエピソードを示しつつ、神の御言葉に答えながら、それを寛大な奉仕、貧しい人々へのいつくしみと一致させ、「社会的創造性」をもって学校や、病院・福祉事業などを起こした19世紀のヴェネト地方の多くの聖人・福者たちを思い起こした。
そして、今日の教会にも求められているもの、それは勇気ある証しと、福音の告知、愛における勤勉、喜びにあふれた信仰、時代のしるしを読み、最も苦しむ人たちの必要に応えることであると説いた教皇は、同地方の司祭・修道者らを励まされた。