パリ五輪:教皇「オリンピック停戦」を呼びかける
パリ2024オリンピック競技大会の開会を一週間後に控えた7月19日、パリのマドレーヌ教会で、平和のためのミサが捧げられた。
この日は、パリ五輪において呼びかけられる「オリンピック停戦」の初日となった。
国際オリンピック委員会が、古代ギリシャのオリンピック停戦の伝統復活のため、国連に働きかけ、国連総会でオリンピック停戦の順守に関する決議が採択されのは1993年のこと。以来、国連総会では、各オリンピックおよびパラリンピック開催の前年に、大会中の停戦を求める決議が行われてきた。
パリ五輪における「オリンピック停戦」をめぐる決議は、2023年11月21日、国連総会で採択された。これにより、パリオリンピック開幕の7日前から、パラリンピック閉幕の7日後まで、世界中のすべての紛争に対し休戦が求められている。
教皇は、この日マドレーヌ教会で平和のためのミサを、駐フランス教皇大使チェレスティーノ・ミリヨーレ大司教と共同司式した、ローラン・ウルリッヒ・パリ大司教に宛て、メッセージをおくられた。
この中で教皇は、パリ五輪が、世界中の国々から集うすべての人々にとって、互いを発見し、認め合い、偏見を取り除き、軽べつと不信があるところに尊重を、憎しみがあるところに友情を生み出す、またとない機会となることを希望された。
「オリンピックは平和の担い手であり、戦争の担い手ではない」と述べた教皇は、世界平和が深刻に脅かされているこの激動の時代、紛争を解決し、調和を取り戻すことを希求しつつ、すべての人々がこの「オリンピック停戦」を心に留めるようにと願われた。
そして、教皇は「神がわたしたちを憐み、統治者たちの重大な責任をめぐり彼らの良心を照らし、平和のために働く人々にその努力の実りと祝福をお与えくださるように」と祈られた。