「奉仕、宣教、喜び」教皇、ルクセンブルクの教会共同体に

教皇フランシスコは、訪問先のルクセンブルクで、カトリック共同体との出会いを持たれた。

 教皇フランシスコは、9月26日午後、訪問先のルクセンブルクで、カトリック共同体とお会いになった。

 ルクセンブルクの人口およそ65.4万人(2023年)のうち、宗教的割合は、カトリック41.5%、プロテスタント5%、イスラム教2%、そして無宗教が27%を占める。

 ルクセンブルク大公国において、カトリック教会は唯一の教区、ルクセンブルク大司教区を置き、その中に275の小教区を持っている。

 教皇との集いは、ルクセンブルクのカテドラル、ノートルダム大聖堂で行われた。イエズス会士ジャン・ドゥ・ブロークの設計による同大聖堂は、1613年に礎石が据えられ、1621年に献堂された。後期ゴシック様式にルネッサンスやバロック等の要素が加えられた独特なスタイルを持つ教会である。今日までに、1935年から1938年にかけて増築工事、さらに1962年から63年の間に内陣の改築が行われている。

 教皇との出会いには、ルクセンブルク大司教のジャン・クロード・オロリッシュ枢機卿

をはじめ、聖職者、修道者、信者たちなど、同国のカトリック共同体を構成する様々な人々が参加した。聖堂内の前列には、アンリ大公とマリア・テレサ大公妃の姿もあった。

 この集いでは、オロリッシュ枢機卿が、非常に世俗化した社会を生きる教会の苦しみと困難、そして希望や使命を語り、次いで、一人の若者と、教区の司牧委員会の副議長を務める女性信者、言語別コミュニティの代表者で移民の共同体に携わる修道女らが、自らの体験を分かち合った。

 また、アッシジの聖フランシスコの生涯からインスピレーションを得たダンスが若者たちによって披露された。

 教皇はカトリック共同体への挨拶で、この出会いは、ルクセンブルクの保護者である「苦しむ人々の慰め手なるマリア」への400年の信心を記念する「聖母年」の開幕と重なるものであることに言及。

 「慰め」というキーワードと、今回のご自身のルクセンブルク訪問のテーマ「仕えるために」を示しながら、教皇は「仕える」こと、「慰める」ことは、イエスがわたしたちに与えられた愛の二つの基本要素であると強調。

 さらに、この二つは、イエスからわたしたちに託された使命であると同時に、わたしたちが招かれている満ちみてる喜びへの唯一の道でもある、と説かれた。

 この集いで教皇は、助けと受け入れを求めるすべての人々に開いた「奉仕」する教会、世俗的社会に負けず、挑戦を受け入れ、変わることのない価値観への忠実のうちに、新たな「福音宣教」の道を見出す教会、そして「喜び」に満ちた信仰を持つ教会の、これらのビジョンを示しつつ、ルクセンブルクのカトリック共同体を励まされた。

 この後、ルクセンブルクの「聖母年」の開幕の祈りが唱えられ、金の薔薇が聖母に捧げられた。

 ルクセンブルクへの一日の訪問を終えた教皇は、同日夜、空港での送別式を経て、次の訪問国ベルギーへと向かわれた。

26 9月 2024, 20:09