教皇「キリストを中心に据えることは、希望に火を灯すこと」
教皇フランシスコは、11月28日(木)、国際神学委員会の定例総会参加者らとお会いになった。
国際神学委員会は、教理省に属する組織で、特に新たな様相を持った、重要な神学的問題を研究し、教理省をはじめ、教会の教えにサポートを提供することを目的としている。
「共に歩む教会のため − 交わり、参加、そして宣教」をテーマにしたシノドスが閉会し、2025年の聖年の幕開けを待つ中で行われたこの集いで、教皇は「キリストを再び中心に据えること」、「シノドス性をめぐる神学の発展」の2点を柱に、関係者に挨拶をおくられた。
教皇は、2025年には、聖年と共に、第一ニケア公会議開催1700周年が記念されることに触れ、同公会議が開催された場所で行われる記念行事に参加する意向であると述べられた。
御父と御子の同質を確認したこの公会議は、わたしたちに、イエスの中に神と人の両方の顔を見出させ、御子においてわれわれが神の子として兄弟同士であることの認識を可能にした、と教皇は話した。
キリストに根差したこの兄弟愛は、わたしたちにとって不可欠な倫理的課題となった、述べた教皇は、紛争と暴力が広がる複雑で分極化した今日の世界において、キリストにおいて啓示され、聖霊をとおしてわたしたちにもたらされた神の愛は、兄弟愛のうちに歩み、正義と平和の構築のために働くようにと、すべての人に呼びかけている、と強調。
ただ、こうしてのみ、わたしたちは自分の生きる場所で希望の種を蒔くことができるのであり、キリストを再び中心に据えることは、この希望に再び火を灯すことを意味する、と教皇は神学者たちの仕事を励まされた。
また、教皇は終了したばかりのシノドスに言及。その最終文書に記された「宣教のためのカリスマ、召命、役務」を背景に「シノドス性の意味を明らかにし、考察を深めるように」との神学上の課題を示された。
教皇は、イエスに信頼し、その胸に頭を寄りかからせた使徒ヨハネのように(参照 ヨハネ13,25)、イエスの聖心に頭をもたせかけることで、神学は自らの源泉を見出し、教会と世界に実をもたらすことができるだろう、と話された。