教皇庁人間開発省:COVID-19委員会を創設
教皇庁人間開発省は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のための委員会を創設した。
教皇フランシスコは、2020年3月20日付で、人間開発省(長官:ピーター・タークソン枢機卿)に、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に対し、教会の配慮と愛をすべての人々に伝えるために、他の教皇庁機関と協力し委員会を創設するよう招いた。
人間開発省はこれに応じて、4月15日、「COVID-19委員会」の立ち上げを発表した。
同省はパンデミック危機に対し、これまでも現状に即した迅速な支援を積極的に行ってきた。これらの支援に並行し、今回創設された「COVID-19委員会」は、特にパンデミック後に焦点を定め、新型コロナウイルスが将来の社会経済と文化に与える影響の分析と考察、その対応策となるガイドラインの提案などを行う。
タークソン枢機卿は、同委員会の設立をめぐり、「一つの危機には、別の危機が、さらにはまた別の危機が付随してくる恐れがあり、こうしたプロセスの中で、わたしたちは遅れながら、苦しみのうちに、教皇フランシスコが回勅「ラウダート・シ」で先見をもって教えられた、わたしたちの『共通の家』をいたわることの大切さを学ばざるを得ない」と述べた。
そして、これらの援助事業において、今日のために必要な具体的な行動を調整すると共に、未来を探り、明日のために準備すること、そのどちらも欠けることがあってはならない、と話した。
「COVID-19委員会」の仕事は5つのグループに分けて行われる。
グループ1は、人間開発省によって調整され、地方教会の声を聴き、これらの教会が現場の主役となるような配慮のもと、国際カリタスとの協力のもとに、それを支援する。このグループは、教皇慈善活動室、福音宣教省、バチカン薬局など、教皇庁の他の組織が促進する取り組みとの積極的な協力を課題とする。
グループ2は、人間開発省による調整で、このパンデミックについての研究を行い、特に環境・経済・労働・医療・政治・コミュニケーション・治安の分野において、Covid-19後の社会と世界の考察を行う。このグループの活動には、教皇庁科学アカデミー、生命アカデミーをはじめ、これまですでに同省と協力関係にあった諸組織が参加する。
グループ3は、広報省が調整役となり、各グループの活動について報告し、地方教会とのコミュニケーションを促進する。Covid-19後の世界において、これらの教会に信頼の置ける方法で答える手助けをする。
グループ4は、国務省外務局の調整によるもので、教皇庁をその活動と各国・諸国際機関との関係において支え、これらの国々や機関に、研究・対話・考察の成果を伝える。
グループ5は、人間開発省による調整で、地方教会やカトリック系組織に対する「COVID-19委員会」の援助、同委員会の研究・分析・広報活動のための財務上の責任を担う。