「日本で見た、教皇とキリスト教文化への高い関心」バチカン図書館館長
バチカン図書館館長チェーザレ・パシーニ師は、大分市で開かれた「マレガ・プロジェクト国際シンポジウム」出席等のため、今年10月末、日本を訪れた。
同シンポジウムでは、バチカン図書館所蔵のキリシタン関係史料「マレガ文書」の修復や研究の進展などが発表された。
マレガ文書は、サレジオ修道会のマリオ・マレガ神父(1902-1978)が、戦前大分県で収集し、戦後バチカンに送った古文書史料群。
日本から戻ったパシーニ館長は、バチカンニュースのイタリア語放送を通し、マレガ文書や、11月23日から26日まで行われる教皇フランシスコの訪日について語った。
パシーニ館長は、このたび訪れた日本で、「訪問者に対する心遣いや和やかさを表すしるし」である素晴らしい「もてなし」の伝統に、いつもながら感銘を受けたと述べた。
パシーニ館長は、今回、臼井市、大分市、長崎市を訪問、この機会に、マレガ文書の保存等をめぐり日本との協力が順調に進展し成果をあげたことを報告した、と話した。
バチカン図書館は、すでに同文書の修復、整理、デジタル化を終え、今後、進んだ研究、データベースに基づく文書の組織化を待つ段階である、と語った。
日本の関係者からはこの文書の保存・研究に積極的な協力をいただいたが、これに日本の人々のカトリック教会に対する対話と尊重への気持ちを感じた、とパシーニ師は述べた。
また、日本の人々にとっても、マレガ文書が当時の社会の断面図を知るためのさらなる研究を刺激することを願った。
実際、パシーニ師は九州訪問中に、日本の人々のキリシタン文化や遺跡に対する大きな関心を感じたという。
教皇フランシスコの訪日に対する人々の関心は高まっている、とパシーニ師は話し、今回の大分での会議や、バチカン使節への丁重な歓迎も、訪日する教皇に対する敬意の現れと感じた、と述べた。
パシーニ師はこの九州訪問を、教皇の訪日を待ち望み、長崎での教皇ミサや他の行事に参加を希望する人々の熱意はもとより、キリスト教に対する人々の広い興味にも触れることができる機会であったと振り返った。