貧しい人のための世界祈願日:教皇「苦しむ人々の叫びに耳を傾けよう」
11月18日、カトリック教会の「第2回貧しい人のための世界祈願日」が行われた。
昨年、教皇フランシスコによって創設されたこの祈願日は、毎年、典礼暦・年間第33主日に記念される。教皇は、この祈願日が、助けを必要とする人々との出会い・友情・連帯・支援の機会となることを願われている。
この日の午前、教皇はバチカンの聖ペトロ大聖堂で、「貧しい人のための世界祈願日」のためのミサを捧げられた。
教皇はミサの説教で、人間の尊厳を蹂躙された人々に対する無関心が一般化した今日、イエスに従い、これらの兄弟たちに「手を差し伸べ」「無償で愛する」ことの大切さを強調。
生まれてくることができなかった子どもの叫び、飢えに苦しみ、爆弾の閃光に慣れた少年たちの叫び、見捨てられた孤独なお年寄りの叫び、貧しい人たちのこうした多くの叫びに耳を傾けるよう訴えられた。
教皇は、貧しい人たちと常に共にあるようにとの福音的招きを示すと同時に、自分は「安全圏」にいるという自尊心から抜け出し、自らも「救いを乞う者」と認める必要を示された。
そして、自分は「救いを必要とする者」であり、「主が愛する貧しい人々をはじめ、すべての人の兄弟姉妹」であるという自覚の中で、信仰は育まれていくと語られた。
「不正義こそが、貧困の腐敗した根である」と話す教皇は、貧しい人たちの叫びは日々強まる一方で、それはごく一部の裕福な人々の騒音にかき消され、日々聞こえづらくなっていると指摘。
これらの人々の「踏みにじられた尊厳を前に、キリスト者は無関心や運命論に留まり傍観していることはできない」と、イエスのように手を差し伸べる姿勢を呼びかけられた。
また、キリスト者が、好意や助けを互いに交換できる人々にのみ親切にするのではなく、それをさらに超えて、受けた助けに対し、何も返すことができない人々を無償で愛するようイエスは望んでおられる、と話された。
教皇は、「わたしたちのこの差し伸べた手は、天国において、わたしたちの真の豊かさとなるだろう」と説かれた。