ペル枢機卿、無罪に、豪最高裁、全会一致で
未成年者への性的虐待で告訴され、実刑判決を受け、禁固刑に服していたジョージ・ペル枢機卿は、上告審で無罪となった。
オーストラリアの連邦最高裁判所は、4月7日、未成年者への性的虐待を理由に6年間の禁固刑を受けていたジョージ・ペル枢機卿の下級審による実刑判決を全会一致で破棄した。
ペル枢機卿は、2018年12月、メルボルン地裁により、有罪判決を言い渡された。2019年8月の控訴審で、ヴィクトリア州最高裁は同地裁の判決を支持し、ペル枢機卿の控訴を棄却。一貫して無罪を主張するペル枢機卿は、豪連邦最高裁判所に上告していた。
ペル枢機卿は、1941年、オーストラリア生まれ。シドニー教区名誉大司教、教皇庁財務事務局前長官。
7日、上告審での無罪判決後、ペル枢機卿は釈放され、バーウォン刑務所から、メルボルンのカトリック系施設に向かった。
最高裁では、「犯罪は行われなかったという理にかなった可能性があり、よって、ここには無実の人物を罪に定める可能性がある」とし、7人の裁判官全員一致で、ペル枢機卿の無罪を結論づけた。
ペル枢機卿は、最高裁の判決後、自身が常に訴え続けた無実が認められたことで、これまで受けた不正義が正された、と語った。
また、同枢機卿は、自分の告発者に対する恨みはない、とも述べた。
ペル枢機卿は、長い癒しの基礎となるものは真理であり、正義の唯一の基礎も真理である、なぜなら正義とはすべての人のための真理を意味している、と話した。
そして、同枢機卿は、自身の弁護士、そしてこの試練において彼のために祈り、支えてくれたすべての人に感謝を表した。
07 4月 2020, 14:49