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選挙集会のために掲げられていた星条旗 2024年7月14日 米ペンシルヴェニア州バトラー 選挙集会のために掲げられていた星条旗 2024年7月14日 米ペンシルヴェニア州バトラー  (2024 Getty Images)

米国司教協議会会長ブロリオ大司教「人間の尊厳と対話の推進を」

米国カトリック司教協議会会長のティモシー・ブロリオ大司教は、バチカン・メディアのインタビューに答え、ドナルド・トランプ前米大統領の暗殺未遂事件をぞっとする「行動への呼びかけ」と定義し、アメリカ人はそれぞれの人間としての尊厳を尊重しつつ、常に敬意をもって意見の相違を表明すべきと強調した。

 デボラ・カステッラーノ・ルボフ - バチカン市国

 「われわれにできることの一つは、人間の尊厳を促進することです。そして、たとえ自分の意見に反対する人がいたとしても、その人は神の似姿として創造されたという事実を常に心に留めることです......」

 米国カトリック司教協議会会長のティモシー・ブロリオ大司教は、バチカン・メディアのインタビューで、先週土曜日ペンシルベニア州バトラーでの選挙集会中に起きた、ドナルド・トランプ前米大統領の暗殺未遂事件を振り返った。

 「民主的であるべき社会で」起きた「恐ろしい」事件であると同大司教は語ると同時に、特に開幕目前の米国全国聖体大会を平和と和解を促進する機会として示しつつ、信仰と慰めの言葉を述べている。

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 最初に、米国を苦悩させた、ペンシルベニア州の集会でのこの悲劇をどのように受け止められましたか?

 当然、わたしの最初のリアクションは、民主的であるべき社会で暴力が起き、互いに話し合うことができなくなることへの恐れです。誰かがトランプ前大統領の命を狙った。これは大変悲劇的なことです。

 このような事態を防ぐため、あるいはそれに対処するために、何ができるでしょうか? 安全保障の点からも、このようなことが起こりうるとは誰も考えなかったのでしょうか。

 専門家が安全保障の観点からできることを分析する必要があるのは明らかでしょう。しかし、わたしたち皆にできることの一つは、人間の尊厳を忘れず、それを促進することだと思います。そして、たとえ自分の意見に反対する人がいたとしても、その人は神の似姿として創造されたという事実を常に心に留めることです。その尊厳をわたしは認め、尊重すべきです。もし、われわれの社会が-それをアメリカ社会に限定して言いますが-そのことをもっと認識するならば、わたしたちは理性的な人間として、自分たちが抱える問題や意見の相違をめぐって議論でき、たぶん何らかの解決にたどり着くことができるでしょう。しかしながら、この国の政治的議論が怒鳴うばかりで、もはや他者に耳を傾ける余裕がないところまで来てしまったのは悲劇です。教皇フランシスコは、人間の基本的尊厳を認め、あらゆる方法でそれを尊重するように常に促しています。

 また、米国カトリック司教協議会の会長として、このようなアメリカ人同士の平和的な対話、あるいは共存を培うために、司教たちは何ができると思いますか?

 自分たちの教区において、対話の重要性、他者の尊重の重要性を広めることができると思います。人間の生命に対するわたしたちの取り組みも、人間は受胎の瞬間から死の瞬間まで尊重に値するという考えに基づくものです。わたしたちはそれを常に念頭に置かねばなりません。7月17日(水)には、聖体大会が開幕します。それはわたしたちにとって、対話と和解を促進する大きな機会になるでしょう。そして、イエス・キリストの中に救いを見い出すことも忘れてはなりません。キリストの中にわたしたちは行動規範を見出すことができ、その促進に努めれば努めるほど、わたしたちの社会はより良いものになるでしょう。わたしたちだけですべてを行うことはできません。しかし、その基礎を築き、尊厳と対話の促進のために、責任ある人々を促すことができるでしょう。

 トランプ前大統領襲撃事件で、一人の無実の方が亡くなりました。

 犠牲になられた方のご家族に寄り添い、お悔やみを申し上げると共に、ご冥福をお祈りすることをお約束します。そして、トランプ前大統領をはじめ、負傷された方々に、慰めのメッセージと、わたしの祈り、そして米国のすべての信者の祈りをお約束します。この悲劇的な出来事は、わたしたち皆に、平和と和解の道を前進するようにと、また、政治的な相違が何であれ、解決策を見出だすためにいかに協力できるかを誠実に考えるようにと招いています。

 

16 7月 2024, 17:27