教皇、ラトビアを訪問、「人々の母としての社会を目指して」
バルト3国訪問を行われている教皇フランシスコは、9月24日(月)午前、第二の訪問国、ラトビアに赴かれた。
同日朝、教皇は3国訪問の基点とされているリトアニアの首都ヴィリニュスから、ラトビアの首都リガへ向かわれた。
リガ国際空港で、教皇はライモンツ・ベーヨニス大統領に迎えられた。
空港内では民族衣装の子どもたちが、ラトビアの伝統楽器クアクレを演奏して、教皇を歓迎した。
リガ市内の大統領官邸で歓迎式典に臨まれた教皇は、続いて官邸内にベーヨニス大統領を表敬訪問され、個人会談を持たれた。
官邸のホールで行われたラトビア各界代表および駐在外交団との会見で、教皇は初めて同国を訪れた喜びを表明。
過去の分裂と紛争により、社会・政治・経済的に厳しい試練に見舞われたラトビアが、今日、バルト地域の文化・政治・交易の重要な中心地として発展を遂げた、その歴史を見つめられた。
今年ラトビアが最初の独立宣言から100年を迎えたことは、社会全体にとって意味ある機会であると述べた教皇は、ラトビアの人々が自由を獲得した後、再びそれを獲得するために払った多くの犠牲を思い起こされた。
「わたしの根は、天にある」と言った、ラトビア出身の女性作家ゼンタ・マウリーナ(1897-1978)の言葉を教皇は引用しつつ、ラトビアの人々の、高きを見上げることのできる力が、同国の再構築を可能にしたと話された。
自由と独立は一つの恵みであると同時に、そのために皆で挑戦し続けるべき一つの課題である、と教皇は述べ、自由のために働くとは、人と社会の統合的発展のために努力すること、と説かれた。
ラトビアは、教皇インノケンティウス3世(在位:1198-1216)から「マリアの地」と呼ばれた。こうしたことから、教皇フランシスコの今回のラトビア訪問のモットーには、聖歌「アヴェ・マリス・ステラ」の歌詞から採った「あなたが母であることを示してください」を掲げている。
教皇は、このモットーのように、ラトビアもまた「母性」を示し、経済優先ではなく、命に重きを置き、家庭や、お年寄り、青少年のための政策を推進し、仕事を求める人々の流失を防ぐために、就労の機会の創出に努力してほしいと希望された。
教皇は、ラトビアが過去のルーツと、今日の創造性、そして未来への信頼と希望をもって、発展を続けることを祈られた。