「殉教者たちの記憶から今日の力を汲む」教皇、リトアニアの教会関係者に
教皇フランシスコは、9月23日(日)午後、訪問先のリトアニア中部カウナスで、同国の教会関係者との出会いを持たれた。
リトアニアは、バルト3国の中で、カトリック信者を最も多く擁する。同国のカトリック人口は、約80%を占め、この他、ロシア正教会、ルーテル教会などの信者がいる。カトリック教会は、全国に8つの教区と、712の小教区を持っている。
カウナスのカテドラルには、リトアニア全教区から司祭、修道者、神学生らが集い、
教皇の言葉に熱心に耳を傾けた。
教皇は、教会関係者らへの挨拶の多くの部分を、原稿を用いずに行われた。
教皇は、リトアニアを訪れ、現在の同国の教会の姿を見ながら、過去の数多くの殉教者たちの存在を思ったと述べ、この参加者の中にも牢獄生活などを体験した人がいるだろうと話した。
「過去の記憶を保ってください。皆さんは殉教者の子たちです。それが皆さんの力なのです」と教皇は呼びかけた。
今日の聖職者や修道者の信仰や召命に対する危機に言及された教皇は、世俗の精神は、触れるすべてのものを退屈へと変えてしまうと注意。
「皆さんの両親の世代は闘い、苦しみを味わったのに、皆さんは前進する気力すらないとしたら、これはどういうことでしょうか」と問いながら、教皇は「使徒言行録」にあるような最初の時代、先人たちの精神を決して忘れてはならないと語られた。
また、教皇は、司祭生活や修道生活を、企業活動と混同してはならないと警告。
「わたしの仕事はこれだ」「自分はこれに夢中だ」「この仕事なら熱中できる」と思っていても、長上が変われば、状況はすべて変わってしまう。それに失望するなら、その人は役人や企業人のような、聖職者や修道者的でない道を歩んでいることに気づくべきと話された。
教皇は、「役人」にならないためには、「近寄ること」が大切と述べ、聖櫃の主に近づき、人々に寄り添う、こうした心がけが重要と助言した。
また、教皇は、修道女たちに対し、「母でいること」を忘れないようにと話し、「皆さんと出会った人々が、母なる教会の姿と、母マリアの姿を見出すことができるように」と願われた。