「『神の今』に参与するよう招くイエス」教皇、WYDパナマ大会閉会ミサで
教皇フランシスコは、1月27日、パナマ司牧訪問の最終日、「世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)大会」の頂点かつ閉会行事である、大会記念ミサを捧げられた。
この早朝、ミサ会場のパナマ市郊外、カンポ・サン・フアン・パブロIIには、26日の前夜祭から、そのまま夜を明かした多くの若者たちのテントが色とりどりに広がった。
特別車パパモービルで会場入りした教皇は、世界各国の旗を振るおよそ70万人の参加者に迎えられ、ミサを司式された。
このミサには、パナマ大統領をはじめ、コスタリカ、コロンビア、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、そしてポルトガルの各国大統領が参列した。
教皇はミサの中で、ルカ福音書の、ナザレの会堂でイエスが預言者イザヤの巻物を朗読し、説教を行う場面を観想された。
「会堂にいるすべての人の目がイエスに注がれていた。そこでイエスは、『この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した』と話し始められた」(参照:ルカ4,18-19)
「今日、実現した」というイエスの言葉を示された教皇は、「イエスは『神の今』を啓示し、わたしたちもその『今』に参与するようにと、わたしたちに会いに来られる」と話された。
ナザレの人々がそうであったように、わたしたちも神を素晴らしく、善良で、寛大、しかし遠くにいる、めんどうでない存在にしたがる、と教皇は指摘。
しかし、わたしたちの近くに、日常的に、友人・兄弟としておられる神は、わたしたちに寄り添いを、日常性を、そして何よりも兄弟愛を学ぶようにと望んでおられる、と語られた。
教皇は、若者たちに、「皆さんの使命や召命、また人生そのものは、未来のためだけに約束されたものでも、現在とは何の関係のないものでもない。若いとは、待合室で自分の順番を待つことと同様ではない」と助言。
「そのうちに」と思いながら、確実で安全な未来ばかりを思い描き、自分を問いただすこともしない間に、皆さんの夢は価値を失い、眠り込み、小さく、悲しい幻想となってしまうと注意を促された。
「明日ではなく、今」と強調される教皇は、イエスには「そのうち」は存在せず、そこにあるのは皆の心に入ろうとするいつくしみの愛、与えると共に、与えるようにと招く愛であると話された。
神のご計画に「はい」と答えたマリアは、神とその約束を信じただけでなく、「神の今」に参与する勇気を持っていた、と教皇は説かれた。
教皇は、ナザレの会堂で起きたように、今日もイエスはわたしたちの間に再びお立ちになり、巻物を朗読し、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と言われている、と話された。