教皇、モロッコの各界代表らとの出会い
3月30日、モロッコを訪問された教皇フランシスコは、首都ラバトで、公式の歓迎行事と、各界代表との出会いに出席された。
公式の歓迎行事が行われた「ハッサンの塔」の広場では、各界要人の他、大勢の市民が教皇を歓迎した。
国歌演奏や使節の紹介など、歓迎の儀式の後、教皇は広場に設けられた舞台で、モロッコ国民に向け、到着の挨拶をおくられた。
この中で教皇は、美しい自然、古代文明の足跡、心を魅了する歴史に恵まれたモロッコを訪問した喜びを表され、ムハンマド6世国王の温かい招きに感謝を述べられた。
教皇は、この訪問がイスラム教とキリスト教の宗教間対話と相互理解を促す機会となることを期待された。
今から800年前の、アッシジの聖フランシスコと、スルタン、アル=マリク・アル=カーミルとの歴史的出会いを思い起こされた教皇は、過激主義や憎悪が分裂と破壊を生む世界にあって、出会い、手を伸べ合う勇気は、平和と調和への道である、と話された。
教皇は、アフリカとヨーロッパの橋としての役割を持つこのモロッコの地から、より連帯ある世界、すべての人の豊かさと特徴を尊重した誠実で勇気ある対話の構築に、いっそうの努力を呼びかけたい、と述べられた。
より開かれ、多様化し、連帯に満ちた社会の構築のためには、対話の文化と協力的態度が大切であり、この道をたゆまず進むことで、分裂と恐れの原因となる無理解と偏見を共に克服することができるだろう、と語られた。
真の対話における宗教的要素の重要性を指摘された教皇は、神への信仰は、相互の違いを尊重しつつ、一人ひとりの尊厳と権利を認め、兄弟として生き、善と愛と平和の価値を広めるよう招くものと話された。
また、教皇は、良質な対話の中で、環境保護や、貧困撲滅、移民などの問題についても、考察を深めていくよう望まれた。
教皇は、モロッコに神の祝福と保護を祈られた。