教皇、ダニエル総主教はじめルーマニア正教会関係者と
教皇フランシスコは、5月31日、訪問したルーマニアの首都ブカレストで、ルーマニア正教会のダニエル総主教および聖シノドのメンバーとお会いになった。
ルーマニア正教会の総主教府を訪れた教皇は、入り口でダニエル総主教をはじめ同教会の代表者らに迎えられた。
ダニエル総主教との個人会談の後、教皇は聖シノドのメンバーを前に挨拶をおくられた。
この中で教皇は、今から20年前の1999年5月8日、ルーマニアを訪問した聖ヨハネ・パウロ2世と、当時の総主教テオクティストとの出会いを回想。
その時の聖ヨハネ・パウロ2世の「わたしは皆さんの教会の中に刻まれた、キリストの御顔を観想するためにここに来ました」という言葉を思い起こしつつ、ご自分もまた、ルーマニアの兄弟たちの顔の中に主の御顔を認めるために巡礼者としてやって来た、と述べられた。
教皇は、カトリック教会とルーマニアの正教会の、使徒時代にさかのぼる信仰による絆を強調。
この地に信仰を伝えたといわれる聖アンデレと、聖ペトロの兄弟としての血のつながりだけでなく、同じ主への信仰のために血を流した、殉教者たちの血における兄弟的一致を指摘された。
迫害の苦しみを経て、死から復活への過ぎ越しを体験したルーマニアのキリスト教諸教会の前世紀の歴史を教皇は思いつつ、20年前の聖ヨハネ・パウロ2世と総主教テオクティストの出会いは、両教会の関係を再び花開かせ、対話を取り戻すきっかけになった、と振り返られた。
教皇は、両教会がかつての過ちや偏見に基づく記憶ではなく、初代教会にさかのぼる福音宣教と信仰のルーツの記憶に力づけられ、共に歩んでいくことを望まれた。
また、教皇は、主に耳を傾け、祈り、愛の奉仕を通しながら、新たな聖霊降臨に向けて、共に歩み、兄弟たちがイエスを見ることができるよう助けて行こう、と呼びかけられた。
この後、教皇はブカレストの正教会カテドラルで、ダニエル総主教と祈りの集いに参加された。
ここでは、カトリック教会と正教会の賛歌がそれぞれ歌われる中、ラテン語とルーマニア語によって、「主の祈り」が唱えられた。