教皇「聖体という、主の贈り物に対する驚きと喜びを新たに」
教皇フランシスコは、バチカンで6月23日(日)、正午の祈りの集いを持たれた。
イタリアをはじめとする多くの国々のカトリック教会は、この日曜日、「キリストの聖体(コルプス・ドミニ)」を祝った。
教皇は祈りに先立つ説教で、この日朗読された、イエスのパンと魚の奇跡(ルカ9,11b-17)を考察された。
ガリラヤ湖のほとり、ベトサイダで、イエスは群衆に神の国について語ると共に、人々を癒しておられた。日が傾きかけると、弟子たちはイエスに「群衆を解散させてください。そうすれば、周りの村や里に行って宿をとり、食べ物を見つけるでしょう。わたしたちは、こんな人里離れた所にいるのです」(ルカ9,12)と言った。
イエスはそれに対し、「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」(同9,13)と言われた。弟子たちはそれに驚き、「わたしたちにはパン五つと魚二匹しかありません。このすべての人々のために、わたしたちが食べ物を買いにいかないかぎり」(同9,13)と言った。
教皇は、ここでイエスは、「各自は各自のために」という論理から、摂理が与えたわずかなものから始める「分かち合い」の論理へと、回心するように弟子たちを招いておられる、と話された。
「イエスは、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで、それらのために賛美の祈りを唱え、裂いて弟子たちに渡しては群衆に配らせ」(同9,16)その食べ物はすべての人が食べて満腹するまで尽きることがなかった。
教皇は、すべての福音書記者によって記されているこのパンの奇跡を、メシアの力を表す大変重要なものとして示しつつ、この奇跡はイエスの公生活の最も偉大なしるしの一つであるだけでなく、イエスの犠牲の記念、すなわち世の救いのために捧げられた御体と御血の秘跡、「聖体の秘跡」を先取りするものであった、と語られた。
聖体はイエスの全存在の要約である、と話す教皇は、イエスは最後の晩餐でも、パンの奇跡の際と同様に、パンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えられたが、十字架上での受難を前にしたイエスは、その行為を、新しい永遠の契約の遺言、ご自身の死の過ぎ越しと復活の永遠の記念とされることを望まれた、と話された。
教皇は、「コルプス・ドミニ」の祭日、「聖体」という、主のこの素晴らしい贈り物に対する驚きと喜びを新たにし、感謝をもって受け取るよう、皆を招かれた。