教皇「人身取引から女性たちを解放しよう」
教皇フランシスコは、人身取引被害者の女性たちについて記した本に、序文を寄せられた。
教皇フランシスコは、人身取引の被害者である女性たちの過酷な現実をレポートする本に、序文を寄せられた。
教皇が序文をおくられたこの本は、アルド・ブオナイウト神父著「十字架につけられた女性たち」。同神父は、1970年代にオレステ・ベンツィ神父によってイタリアで創立された、社会的弱者への司牧・支援を主な目的とするカトリック系組織「教皇ヨハネ23世共同体」に所属している。
教皇は同書への序文で、「いつくしみの特別聖年」に行われた「教皇ヨハネ23世共同体」への訪問を回想。
同共同体に保護された女性たちとの出会いで、これらの人々が受けてきた苦しみと不正義に触れたことは、キリストの傷を再び体験することであった、と記されている。
そして、この出会いは、強制と暴力により人身取引の犠牲となった人々の保護を願う自身の祈りを強めることになった、と述べている。
「一人の人間が商品となることは、決してあってはならない」と教皇は述べつつ、この腐敗を止めるために、個人はもとより、教会など共同体での問題意識を高め、世界の不平等の結果をこれらの弱く無防備な人々に負わせないよう努力していかなければならない、と説いている。
教皇は、女性を搾取し、商品のように使い捨てにするメンタリティーは人類の病であり、社会の誤った考え方であると強調。
隷属下に置かれたこれらの人々を解放することは、いつくしみの業であり、義務であると述べた教皇は、人身取引被害者の女性たちの叫びに無関心でいてはならないと呼びかけられた。
29 7月 2019, 17:28