アフリカ東部3カ国歴訪を報告、教皇一般謁見
教皇フランシスコは、バチカンで9月11日、水曜恒例の一般謁見を行われた。
教皇は9月4日から一週間の日程で、モザンビーク、マダガスカル、モーリシャスの3国に赴かれ、10日にローマに戻られた。
謁見中の講話で教皇は、前日終えられたばかりのこのアフリカ東部3カ国歴訪について報告を行われた。
教皇は「平和と希望の巡礼者」として訪れた3国に、世の希望であるキリストを示し、すべての民の兄弟愛・自由・正義・平和の力強いパン種であるその福音をもらたすことを望んだ、と述べられた。
最初に訪れたモザンビークでは、長い武力闘争で苦しんだ同国に、希望と平和と和解の種を蒔き、今年の春、2つのサイクロンによって大きな被害を受けた人々に寄り添うことを目的とされた、と教皇は話された。
そして、教皇は同国の要人との会見で、共通善のために共に働くよう励まし、様々な宗教の若者たちとの出会いでは、諦めや不安を乗り越え、国の構築のために働き、社会に友情を広げると共に、先人たちの伝統を大切に守っていくよう勇気づけた、と語られた。
また、聖エジディオ共同体のプロジェクトとして開設された医療センターでは、患者が最も大切にされ、異なる宗教の人々が一致して兄弟のように働いている様子を目にすることができた、と振り返られた。
モザンビーク訪問の頂点となったミサでは、雨にも関わらず、皆が幸福を感じていた、と教皇は述べ、そこには、暴力を鎮め、兄弟愛を生む、「敵を愛しなさい」(ルカ6,27)というイエスの言葉が響いた、と語られた。
次に訪れたマダガスカルは、美しい自然と豊かな天然資源を持つ一方で、多くの貧困が存在する国であるが、教皇はここで、同国民が伝統的な連帯の精神をもって、対立を乗り越え、環境と社会正義が尊重される未来を構築するよう招いた、と話された。
教皇は、マダガスカルで訪問された、アンタナナリボ郊外の「友情の町」について、宣教師ペドロ・オペカ神父が始めた共同体で、福音の精神に基づいて、労働、尊厳、貧しい人への援助、子どもの教育などのテーマを一致させたものである、と紹介。教皇は、隣接の採石場で、労働者のための祈りを唱えた、と述べられた。
マダガスカルで、教皇は同国の観想修道会の修道女たちと昼の祈りをとり行ったが、教皇は「信仰と祈りなしでは、人間にふさわしい町を築くことはできない」と、祈りの大切さを指摘された。
マダガスカル訪問の後半の行事、アンタナナリボ郊外で行われた日曜日のミサと、それに先立つ、若者たちとの祈りの前夜祭での、非常に多くの参加者を教皇は思い起こされた。
最後に訪問したモーリシャスは、観光で知られると同時に、多様な民族と文化が統合された国であり、実際、同諸島には前世紀より、インドからをはじめ、様々な民族が居住している、と教皇は説明。
同国では、諸宗教間の対話と友好が自然な形で存在しており、たとえば、教皇が同国の司教館で見た美しい花束は、イスラム教の指導者から贈られたものであった、と話された。
モーリシャスでのミサは、同国の「一致の使徒」、福者ジャック・デジレ・ラヴァル神父を追憶するものであったが、ここで教皇はイエスの「真福八端」をキリスト者の身分証、利己主義や差別に対する特効薬として示した、と語られた。
さらに、要人らとの会見で、教皇は共通の計画実現のために多様性を調和させる同国の努力を評価され、これからもより受容力のある社会と民主主義の発展に尽くすよう励まされた、と述べられた。
教皇は、この訪問で蒔かれた種が、モザンビーク、マダガスカル、モーリシャスに豊かな実をもたらすよう祈られた。