「自分のためだけに生きることからの解放を」教皇、マダガスカルでミサ
教皇フランシスコは、マダガスカルの首都アンタナナリボで、9月8日、主日(日曜日)のミサをとり行い、正午のお告げの祈りを唱えられた。
首都郊外のイベントスペースで行われた教皇ミサには、7日の前夜祭に参加し、会場で朝を迎えた若者たちはもとより、マダガスカル全土から信者が詰めかけ、当局の発表では100万人近い人々が参列した。
ミサの説教で教皇は、自己の小さな世界に閉じこもらず、眼差しを上げ、自分ではなく、神を生活の中心に据えることで、兄弟たちに心を開こう、と信者らを励まされた。
教皇は、多くの人々、若者、子どもたちが苦しみ、すべてに事欠いている現実を見つめるよう招きながら、これは神のご計画ではない、と述べられた。
そして、排他的な生き方、プライド、個人主義を捨て、兄弟愛の精神をもって、すべての人が愛され、理解され、尊厳を尊重される社会を目指さなくてはならないと説かれた。
主は神の王国の到来を準備しながら、人類を最も重い隷属から解放しようとしている、と教皇は述べ、その隷属とは、「自分自身のためだけに生きること」であると話された。
「自分の小さな世界に閉じこもることは、他の人々への関心を失わせる。そこでは貧しい人は疎外され、神の声が受け入れられることはない」、「自分に閉じこもる人々は、一見安泰であるかのように思われても、最後には不満を抱えた、生命のない人になってしまう」、と教皇は説かれた。
人間の尊厳の蹂躙を前に、キリスト者は傍観していてはならない、と述べた教皇は、無関心や諦めのために両腕を広げずに、その手を差し伸べよう、と呼びかけられた。
教皇はミサの後半、正午のお告げの祈りを参加者と共に唱えられた。
人類の救いの曙、マリアの誕生が記念されたこの日、教皇は無原罪なるマリアにマダガスカルの平和と希望の歩みを託して祈られた。