世界宣教の日:教皇「良き知らせをあらゆる場所に」
教皇フランシスコは、バチカンで10月20日(日)、正午の祈りを巡礼者と共に唱えられた。
10月の終わりから数えて2番目の日曜日であるこの日、カトリック教会は「世界宣教の日」を記念した。
教皇は祈りの前の説教で、同日の聖書朗読箇所、「テモテへの手紙二」(3,14-4,2)から、「御言葉を宣べ伝えなさい。折りが良くても悪くても励みなさい。とがめ、戒め、励ましなさい。忍耐強く、十分に教えるのです」(同4,2)という使徒聖パウロの言葉を掲げられた。
そして、この「世界宣教の日」にあたり、すべての信者に、新たな努力をもって、神の御国を告げるために力を合わせるよう、自覚を呼びかけられた。
教皇は、今年その発表から100年を迎えた、ベネディクト15世の使徒的書簡「マキシムム・イッルド」に言及。
全教会の宣教的責任を促す同文書の中で、ベネディクト15世は、あらゆる植民地主義の影響から清められ、政治的制約から解放された、世界における宣教のあり方を、福音に照らして再考する必要を説いていることを紹介された。
教皇は、今日もベネディクト15世のメッセージは、自己本位な閉鎖性や司牧上の悲観主義の誘惑を超え、福音の喜びに自らを開くよう招いている、と話された。
グローバル化が著しい現代、民族間の連帯や互いの違いの尊重が育つべきであるところ、未だにそれが得られず、古い権力闘争が戦争を引き起こし、地球を破壊している、と述べた教皇は、イエスにおいていつくしみは罪に勝利し、希望は恐れに打ち勝つという良き知らせをあらゆる場所にもたらすようにと、信者らを励まされた。
教皇は、充実した宣教を生きるためには、一つの条件、すなわち熱心で絶えることのない祈りが必要、とも述べられた。
教皇は、すべての人々の母、マリアが福音の宣教者たちを毎日見守ってくださるようにと祈られた。
また、この集いで教皇は、前日10月19日、イタリア北部クレーマで、ミラノ外国宣教会のアルフレド・クレモネージ神父の列福式が行われたことを報告。1953年、ビルマで殉教した同神父の、平和の使徒、福音の証し人としての生涯を思い起こされた。
福者クレモネージ神父の模範によって、わたしたちもあらゆる状況下で、兄弟愛のために働く者、勇気ある宣教者となれるようにと、教皇は祈られた。