日本の世界平和のための牽引的役割を励ます、教皇、一般謁見で
教皇フランシスコは、バチカンで11月27日、水曜恒例の一般謁見を行われた。
謁見中の講話で、教皇は、前日26日終了したばかりの、タイと日本へのアジア二カ国訪問について、その内容や印象を報告された。
教皇フランシスコは、登位後第32回目の海外司牧訪問(イタリアを除く)として、11月20日から23日までタイ王国を、11月23日から26日まで日本を公式訪問されていた。
講話のはじめに、教皇はこの二カ国訪問の恵みを神に感謝された。そして、両国の政府および司教団の、招きと丁重なもてなしに、改めてお礼を述べると共に、特にタイと日本の国民に感謝の気持ちを表された。
この訪問で両国民に対する親しみと親愛を増したと述べた教皇は、両国民の発展と平和を願い、神の豊かな祝福を祈られた。
日本訪問を振り返った教皇は、到着後、東京のローマ教皇庁大使館で司教らと集い、小さくても、生きた水、イエスの福音をもたらす教会の、牧者としての挑戦をすぐに分かち合った、と述べられた。
「すべてのいのちを守るため」という訪日のモットーを教皇は紹介。原爆の消えることのない傷を負う日本は、全世界のためにいのちと平和の基本的権利を告げ知らせる役割を担っていると話された。
長崎と広島で、教皇は祈りを捧げると共に、被爆者や犠牲者の遺族と面会し、核兵器への反対を強く表明し、武器を生産・取引しながら平和について語ることの偽善を非難した、と述べた。
あの悲劇の後、日本はいのちのために闘うめざましい力を見せたが、2011年の地震と津波と原子力発電所事故のトリプル災害においても、日本は再びその力を示した、と話した。
いのちを守るには、いのちを愛さなくてはならない、と述べた教皇は、今日の先進国で見られる、生きることの意味の欠如を、深刻な脅威として指摘された。
教皇は、この虚無感の最初の犠牲となるのは若者である、と述べ、それゆえ東京での青年との集いでは、若者たちの問いや夢に耳を傾け、あらゆる形のいじめに共に立ち向かうため、また神の愛に自らを開くために、祈りや他者への奉仕を通して、恐れや自分への閉じこもりに打ち勝つように励ました、と話された。
上智大学においても教授陣らと共に若者たちと出会う機会を持ったが、同大学は他のすべてのカトリック系の教育機関と同様に、日本でとても高い評価を得ている、と教皇は語った。
教皇は、東京で天皇陛下にお会いする機会に恵まれたことに、感謝の念をあたらにされると共に、日本の政府関係者および駐日外交団との集いに言及された。
これらの出会いを通し、教皇は、叡智と広い展望に特徴づけられた出会いと対話の文化への期待を示した、と述べた。
そして、教皇は、独自の宗教的・道徳的価値に忠実に留まりつつ、福音のメッセージに開くことで、日本は、より正しく平和に満ちた世界と、人類と環境の調和のために、牽引的な役割を果たす国になることができるだろう、と話された。
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一方、タイ訪問をめぐり、教皇は同国の豊かな精神的・文化的伝統、微笑みに満ちた国民に敬意を表された。
教皇は、タイ訪問を通し、国内の様々な構成員の間に調和をもたらす努力と、経済発展がすべての人のために還元され、特に女性や未成年者の搾取の傷を癒すことができるよう励ました、と述べた。
また、タイでは仏教が歴史と人々の生活に深く根付いていることを紹介しつつ、教皇は、前任教皇らがしるした相互尊敬の道をたどり、仏教の最高指導者を訪問し、憐みと兄弟愛ある世界の成長を願った、と語られた。