世界青年の日:2020年度・教皇メッセージ「若者よ、起きなさい」
来る4月5日(日)に記念される、2020年度「世界青年の日」を前に、教皇フランシスコはメッセージをおくられた。
「世界青年の日」(ワールドユースデー、WYD)は、カトリックの若者たちの祭典。「復活祭」の一週間前の日曜日、「受難の主日(枝の主日)」に記念される。
「世界青年の日」は、毎年教区レベルで開催され、これに加え、数年ごとに開催地を変えて国際レベルの大会が開かれる。次回の「世界青年の日・国際大会」は、2022年、ポルトガルの首都リスボンで予定されている。
教皇は、2019年の「世界青年の日・パナマ大会」を経て、2022年の「リスボン大会」に向かう3年間の歩みにおいて、「起き上がる」という動詞をキーワードに用い、若者たちに次大会への精神的準備を呼びかけている。
今年2020年のテーマは、「若者よ、あなたに言う。起きなさい」(参照:ルカ7,14)。
ちなみに来年2021年は、「起き上がれ。あなたを、あなたが見たことの証人にする」(参照:使徒言行録26,16)、そしてリスボン大会が行われる2022年は、「マリアは立ち上がり、急いで行った」(参照:ルカ1,39)をテーマにしている。
教皇は今年のメッセージで、「起き上がる」という動詞が、「復活する」「命に目覚める」という意味も併せ持つことに触れながら、福音書の、イエスがナインのやもめの息子を生き返らせたエピソードを、キリストに従うための決意ある一歩への招きとして読むよう勧められた。
教皇は、失敗や落胆、失望や無感動、物質主義や多くの偶像に浸かりきった虚無的な生活など、今日の人々が体験している多くの「死」の状態を指摘。
ナインの死んだ若者が生き返ったのは、彼が生きることを望まれた一人の御方の眼差しによるものであった、と教皇は述べつつ、今日もイエスだけが、生きる力を失った人々に命をもたらし、わたしたちに再び命を与え、わたしたちを他の人々のもとに再び遣わすことがおできになる、と記している。
教皇は、「つながり」はあっても「交わり」のない今日の文化を見つめながら、バーチャルな世界に押しつぶされ、孤立する若者たちに、「起き上がれ」というイエスの言葉と共に、自分を現実に向けて開き、夢を見、リスクを受け入れ、世界を変えるために努力するようにと励ましている。