「より良い再構築を目指して、変えるための勇気を」教皇、巡礼者たちと正午の祈り
典礼暦で聖霊降臨を祝った、5月31日(日)、教皇フランシスコは、午前の聖ペトロ大聖堂でのミサに続き、正午にレジーナ・チェリの祈りを広場の巡礼者と共に唱えられた。
この日、教皇の言葉に耳を傾け、祝福を受けようと、巡礼者たちは、ソーシャルディスタンスを守りながら、聖ペトロ広場に入場。バチカン宮殿の下に集中することなく、放射状に広がった。
教皇が日曜正午の講話と祈りを、バチカン宮殿の窓から、広場の巡礼者に向けて行われるのは、今年3月1日(日)以来、ほぼ3ヵ月ぶりのこと。
バチカンでは、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、3月8日(日)から5月24日(日)まで、教皇による日曜正午の祈りを、巡礼者の参加なしで、バチカン宮殿内で行っていた。
教皇は集いの初めに、「今日は広場が開かれました。また元のように戻れます。うれしいことです」と挨拶し、喜びを表された。
説教で教皇は、イエスが弟子たちの宣教を励ますためにおくられた聖霊の力について話された。
そして、この聖霊降臨の日、わたしたちの中に宿られる聖霊の活力を改めて意識し、自分を守る「高間の壁」を超えて、勇気をもって外に出ていくよう促された。
レジーナ・チェリの祈りに続き、教皇は巡礼者に向けて挨拶をおくられた。
この中で教皇は、6か月前に終了したアマゾン地域のためのシノドスを思い起こしながら、現在パンデミックの厳しい試練に直面する、アマゾンの教会と社会のために、光と力を聖霊に祈り求めたい、と述べられた。
アマゾンにおける新型コロナウイルスの感染者や犠牲者の間には、最も脆弱な環境に置かれた先住民族の人々もいることを教皇は示しつつ、この愛する地域をはじめ、世界の最も貧しく最も無防備な人々に、医療支援が欠けることがないようにと、聖母の取り次ぎを祈られた。
教皇は、「人々を治療することは、経済のための節約より大切なことです。わたしたち人間は聖霊の神殿ですが、経済は違います」と話された。
また、教皇は、「このような危機を経て、前とまったく同じようになることはありません。それは、前より良くなるか、悪くなるかです」とも語り、パンデミック危機に次ぐ再構築が以前より良いものをもたらすよう、「変えるための勇気」を願われた。