「祈り、寄り添い、正義の人」教皇、ミサで聖ヨハネ・パウロ2世を回想
聖ヨハネ・パウロ2世生誕100年を記念し、2020年5月18日の早朝、教皇フランシスコは、バチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられた。
聖ヨハネ・パウロ2世(カロル・ヴォイティワ、ポーランド1920年5月18日-バチカン2005年4月2日、教皇在位:1978年10月16日から帰天日まで)は、この日、誕生からちょうど100年目を迎えた。
教皇フランシスコはこの記念のミサを、聖ヨハネ・パウロ2世の棺が安置された、大聖堂内の「聖セバスチアノの礼拝堂」の祭壇でとり行われた。
この日、バチカンの聖ペトロ(サン・ピエトロ)大聖堂をはじめ、ローマ市内のサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ、サンタ・マリア・マッジョーレ、サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラの、四大教皇直属バシリカが再びミサのために開かれた。
これは、今年3月9日以来、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、バチカン、またイタリア国内で、一般会衆の参加するミサを中止していた状況が、この18日から解除されたため。ただし、ミサの参加には、感染防止を目的に、引き続き一定の規則が厳格に適用される。
教皇フランシスコは、ミサに参加できない信者らのために、3月9日からこの日まで、朝のミサをビデオを通して中継してこられたが、一般のミサの再開を受け、朝ミサの中継を同日をもって終えられた。
教皇はミサの冒頭、全教会を導くために聖ヨハネ・パウロ2世を召し出されたいつくしみ深い神に、わたしたちが同聖教皇の教えに強められ、唯一の人間のあがない主、キリストの救いの恵みに信頼をもって心を開くことができるようにと祈られた。
説教で教皇は、主はご自身の民を愛され、その民のもとを訪れたように、主は100年前、司教となり教会を導くようにと、一人の司牧者を送られた、と述べた。
教皇は、聖ヨハネ・パウロ2世の良き司牧者としての3つの特徴、「祈り」「人々への寄り添い」「正義への愛」を挙げられた。
聖ヨハネ・パウロ2世は、まず「祈りの人」であったと教皇は述べ、彼は教会の指導者としての多くの仕事にも関わらず、司教の第一の仕事は祈ることだと認識していた、と語った。
また、ヨハネ・パウロ2世は「寄り添う人」であったと、教皇は話した。「近くにいる」ことが神の御自身の民に対する態度であるように、司牧者は民の近くにいる存在である、と教皇は強調。子どもから大人まで、近くの人から遠くの人まで、常に寄り添い続け、人々と出会うために世界中をめぐったヨハネ・パウロ2世を思い起こされた。
さらに、教皇は、ヨハネ・パウロ2世の「正義への愛」を指摘。社会の正義、人々の正義、戦争をなくすための正義など、完全な正義を追求するその愛を振り返った。正義への愛ゆえに、ヨハネ・パウロ2世はいつくしみの人であった、なぜなら正義といつくしみは切り離せないものだからでる、と教皇は話した。
教皇は、聖ヨハネ・パウロ2世を絶えず育み、その生涯を教会のために完全に捧げさせた愛の炎を、わたしたちの中にも燃やすことができるようにと祈られた。