教皇「移民たちは切り捨ての文化の犠牲者」
教皇フランシスコは、日曜正午の集いで、10年前メキシコで起きた、移民の拉致・虐殺の悲劇を思い起こされた。
教皇フランシスコは、8月23日(日)、バチカンで正午の祈りの集いを行われた。
教皇はこの席で、翌24日、メキシコのタマウリパス州サン・フェルナンドで移民たち72人が拉致・虐殺された悲劇から10年を迎えることに言及された。
2010年8月24日に起きたこの事件は、殺戮を生き延びたエクアドルの少年の通報によって明らかになったもので、現場ではホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラ、エクアドル、ブラジル、インドなどを出身とする男性・女性たちが遺体で発見された。
その残忍さと当時の情勢から、麻薬組織による犯行と見られているが、いまだ事件の詳しい解明が待たれるという。
教皇は、様々な国を出身とするこれらの人々はより良い生活を求めていたと、この事件を振り返り、犠牲者らを悼まれた。
この事件の真実と裁きを今も求める遺族たちに連帯を示された教皇は、「主は、希望の旅の途中で亡くなったすべての移民について、わたしたちの責任を問われるでしょう。これらの人々は、切り捨ての文化の犠牲者です」と話された。
教皇はまた、前日、8月22日、国連の「宗教および信条に基づく暴力行為の犠牲者を記念する国際デー」が記念されたことを紹介。
今日も自らの信仰を理由に迫害されている多くの人々を祈りと連帯で支えるよう、呼びかけられた。
同時に、教皇は、およそ一年前のモザンビーク訪問の思い出をよみがえらせつつ、国際的テロリズムに苦しんでいる同国北部カーボ・デルガードの人々に精神的一致を表された。
23 8月 2020, 15:36