教皇「スロバキアが平和と統合のメッセージとなるように」

スロバキアを訪問した教皇フランシスコは、大統領官邸で同国の要人・各界代表らと会見された。

 スロバキアを訪問した教皇フランシスコは、9月13日(月)、同国の政府要人、各界代表らと会見された。

 欧州二カ国訪問中の教皇は、前日9月12日(日)午後、最初の訪問国ハンガリーを後にされ、スロバキアの首都ブラチスラバに到着された。

 翌13日午前、教皇はブラチスラバ市内の大統領官邸を訪問、ズザナ・チャプトヴァー大統領の出迎えを受け、共に公式の歓迎式典に臨まれた。

 この後、教皇は同大統領と官邸内で個人会談を持たれた。

 次いで、官邸の庭園で、スロバキアの政府要人、各界代表、同国駐在外交団らとお会いになった。

 教皇は関係者らへの挨拶で、ヨーロッパの奥深くに深く根を張る、若いが古い歴史を持つ国、スロバキアを巡礼者として訪れた喜びを表された。

 ヨーロッパの「中間の地」であるスロバキアの歴史は、同国が「欧州の心臓部の平和のメッセージ」となるよう呼んでいる、と教皇は述べ、同国の国旗からスラブ民族の兄弟性が伝わるように、まさに兄弟愛こそが、特にパンデミックを克服し再出発を願う今日、必要とされているもの、と話された。

 そして、世界が緊密につながり合い、いわば皆が「中間の地」に住んでいる今日、求められるものは、経済復興だけでなく、平和と統合、連帯のメッセージである、と説かれた。

 パンと塩を訪問者に差し出す、スラブ文化の伝統的もてなしに言及しつつ、教皇はそこに福音的な意味を見出された。

 パンは、神がわたしたちの間におられるために選ばれたものであり、聖書はそれを貯めることなく、分かち合うようにと招いている、と教皇は強調。それは、真の豊かさとは、自分の持ち分を増やすことではなく、周りの人と平等に分け合うことにあると教えている、と述べられた。

 また、塩は、「あなたがたは地の塩である」(マタイ5,13)と、イエスが説教に用いているように、塩は味を与えるものであり、それがないと生活は無味のものになってしまう、と教皇は語り、人民間の良好な共存のためには、効率的・組織的な仕組みがあるだけでは足りず、そこには「連帯の味」が必要、と話された。

 教皇は、パンデミックという試練を「自分たちの生き方を見直すようにとの呼びかけ」としてとらえ、未来の構築のために積極的に取り組んでいくよう、スロバキア国民を励まされた。

13 9月 2021, 11:47