スロバキアの保護者「悲しみの聖母」に教皇と司教団の祈り
教皇フランシスコのスロバキア訪問は、9月15日(水)、最終日を迎えた。
この日は スロバキアの保護者である「悲しみの聖母」の祝日を記念した。
教皇は、同国西部サスティンの「聖母の七つの御悲しみ巡礼聖堂」を訪れ、聖母像の前でスロバキア司教団と共に祈りを捧げた。
サスティンの「聖母の七つの御悲しみ巡礼聖堂」の歴史は、16世紀にさかのぼる。ある十字路の角に小さな礼拝堂が建てられ、その中に、十字架から降ろされた死んだイエスを膝に抱え見つめる聖母の像が置かれたことが、この巡礼聖堂の始まりとなった。この像はドナウ地方の梨の木で作られたもので、地元領主の夫人によって、1564年に製作が依頼された。伯爵夫人は、短気な夫が心を入れ替えるようにと、聖母に取りつぎを願い、その願いは聞き入れられた。
その後も、聖母の取りつぎを求め、多くの巡礼者が訪れるようになり、18世紀、現在の巡礼聖堂の形が整えられた。1927年、教皇ピオ11世は、七つの御悲しみの聖母をスロバキアの保護者として宣言した。
1987年にはマザー・テレサが同地を巡礼、教皇聖ヨハネ・パウロ2世は、1995年のスロバキア訪問の際、同巡礼聖堂の前でミサを捧げている。
この日、巡礼聖堂を訪れた教皇フランシスコは、聖母像の前で、司教たちと共に次のように祈った。
「七つの御悲しみの聖母よ、
主のいつしみの愛を乞うために
あなたの前にわたしたちは兄弟として集いました。
高間で使徒たちと共にいらしたように
あなたはここにわたしたちと一緒にいてくださいます。
教会の母、苦しむ人々を慰める方、
わたしたちの聖職の喜びと苦労のうちに
あなたに信頼と共に向かいます。
優しさをもってわたしたちを見つめ
御腕のあいだに受け入れてください。
使徒たちの女王、罪びとたちが身を寄せる方、
あなたはわたしたち人間の限界や霊的敗北、
孤独や見捨てられた苦しみをご存じです。
わたしたちの傷をあなたの優しさでいやしてください。
神の御母、わたしたちの母よ、
あなたにわたしたちの生活と祖国をたくします。
あなたにわたしたち司教たちの交わりをゆだねます。
御子イエスがわたしたちに教えてくださった言葉に
毎日忠実に生きる恵みをお与えください。
イエスにおいて、イエスと共に
わたしたちの父なる神に祈ります。
(主の祈り)」
教皇は聖母に祈りを捧げた後、巡礼聖堂前でミサを司式された。