教皇、キプロスで移民との集い「壁から解放された人類を目指して」
キプロス訪問中の教皇フランシスコは、移民たちとエキュメニカルな祈りの集いを行われた。
教皇フランシスコは、12月3日(金)、キプロス訪問終了を翌朝に控え、実質的な最後の行事として、移民たちとのエキュメニカルな祈りの集いを行われた。
首都ニコシア市内の小教区教会の一つ、聖十字架教会で行われたこの集いには、地中海をへてキプロスに渡った移民たちが多数参加した。
この中で、カリタス・キプロスの代表は、大陸と文化の十字路であるキプロスには、多くの人が戦争や危機を逃れ、安全やより良い生活を求めて到達すること、最近同国は欧州連合の中で最も多くの難民申請者を受け入れていることなどを説明した。
これら大勢の人たちを代表して、アジア、アフリカ、中東からの4人の若者が、移民として体験した危険や暴力、搾取や人身取引、差別や疎外などについて語った。
移民たちの体験に耳を傾けた教皇は、神はご自分の子らが兄弟姉妹として平和に生きる世界を望んでおられるが、それを望まないのはわたしたちなのである、と話された。
神は、わたしたちが分裂した世界を前に諦めることなく、分け隔てる壁や敵意から解放された人類を目指して、この歴史の中を歩んでいくことを願われている、と教皇は語った。
そして、教皇は、痛ましい分裂に苦しむキプロス島が、神の恵みによって、兄弟愛の工房となることを祈られた。
地中海が今や広大な墓地となっている現実や、拉致され、取引され、搾取される移民の苦しみを目の当たりにしているにも関わらず、わたしたちは今やその状況に慣れつつある、と教皇は警告。「無関心の文化の中で、わたしたちは沈黙し、見て見ぬふりをすることはできない」と、訴えられた。
03 12月 2021, 19:15