教皇、2025年の聖年の開催を告げる書簡
教皇フランシスコは、2月11日、新福音化推進評議会議長サルバトーレ・フィジケッラ大司教に宛てた書簡を通し、2025年の聖年の開催に向けた準備を促された。
教皇はこの書簡の中で、不安や恐れに覆われたパンデミックの2年間を経て、聖年の開催が「わたしたちが至急の必要を感じる再生」の一つのしるしとなることを願われた。
2025年に祝われる普遍の教会の聖年を希望の眼差しをもって見つめるよう招く教皇は、「希望の巡礼」を同聖年のモットーとして示された。
21世紀の最初の四半世紀の節目を前に、わたしたちは、キリスト者たちがそのすべての司牧的配慮のうちに聖年を体験できるよう、その準備に取りかかるよう呼ばれている、と教皇は記された。
新型コロナウイルスによるパンデミックがもたらした大きな傷を見つめつつ、教皇は、この2年間、突然のパンデミックの影響を受けなかった国はなく、人々は孤独と不安のうちに死の悲劇を間近に見、生活の不安定さはわたしたちの生き方を変えた、と述べた。
そして、この間、キリスト者たちはすべての兄弟姉妹と苦しみや暮らしの制限を共にし、学校や工場、オフィスや商店と同様に教会もまた扉を閉ざした。パンデミックは自由を制限し、わたしたちの魂に苦しみだけでなく、疑念や恐れをもたらし、道を見失わせた、と教皇は振り返った。
教皇は、こうした中、この感染症と闘い、少しずつ日常生活に戻るための方法を非常な迅速さをもって見出した科学界の関係者に感謝を述べながら、今後この危機が克服され、人間関係と社会生活が回復されることに、期待と信頼を寄せられた。
来る聖年が、人々が切望する新たな再生のしるしとして、希望と信頼の環境を再び醸成することを教皇は望みつつ、一方で、その実現のためには人々が普遍的な兄弟愛の精神を取り戻すことが必要と指摘。人間の尊厳にふさわしい生活を妨げる貧困の悲劇に目を背けることなく、貧しい人々の声に耳を傾けるようにと願われた。
また、聖年を準備するこの長い歩みの中で、地球環境に配慮すると共に、被造物の美しさを観想し、わたしたちの『共通の家』をいたわることを忘れないように、とアピールされた教皇は、「被造物のための配慮は、神における信仰とその御旨への従順の本質的な表現」であると説かれた。
教皇は、この聖年が「地方教会の司牧の意味あるステップ」となるように、熱心な信仰と、生きた希望、慈愛の業の実践のもとに、ふさわしい方法で準備され、開催されるよう願われた。
教皇は、しかるべき時に「聖年開催の布告」が発布されるのを待ちつつ、聖年の前年、2024年を大きな「祈りのシンフォニー」として、神の愛の多くの恵みに感謝し、その創造の業を賛美する年にしたい、と述べられた。
また、その祈りを通し、連帯と分かち合いのうちに、イエスがわたしたちに教えた「主の祈り」をわたしたちの「人生の計画」とすることができるようにと希望された。