教皇マルタ訪問:パロリン枢機卿「宣教的教会へと招く旅」
バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿は、バチカンのメディアのインタビューに答え、4月2日(土)と3日(日)に行われる教皇フランシスコのマルタ共和国への訪問について語った。
教皇はどのような気持ちでこの訪問に出発するか、という問いに対し、パロリン枢機卿は、「マルタ訪問は、パンデミックの影響で延期されたこともあり、長らく待たれたものである一方、教皇ご自身が非常に心配している戦争のさなかに行われるものでもある。教皇は、このところ様々な機会に表明してきた深い苦しみのもとにこの訪問を行いつつ、戦争の停止と対話の継続をアピールされるのではないか」と話した。
マルタは、教皇が「青い砂漠」と呼ぶ、移民たちの悲劇の舞台にもなっている地中海の中に位置していることについて、パロリン枢機卿は「今、ウクライナの避難民に対し、皆が連帯を示していることに神に感謝したい。ヨーロッパの国々のこれらの人々に対する支援は素晴らしいものである。この経験が南から来る別の移民たちに対する関心をも育てることを願う」と述べた。
また、同枢機卿は、移民・難民に対し、教皇が日頃提唱する4つの動詞「受け入れる」「守る」「支援する」「統合する」が大切と話し、そのためにも国だけでなく、教会を含む、社会の広い協力が必要となる、と語った。
教皇がギリシャ、キプロスに続き、同じく使徒聖パウロが宣教の足跡をしるしたマルタを訪問することをめぐり、パロリン枢機卿は、「優れた宣教者である聖パウロにゆかり深いマルタを訪問することは、教皇フランシスコが呼びかける宣教者としての教会、あらゆる場所に、あらゆる機会に福音を告げる常に宣教的な教会への招きとなるだろう」と話した。
同枢機卿は、マルタの教会の貧しい人や弱者に対する熱心な奉仕に触れる一方、欧米の他の国々と同様に見られる、宗教的実践の減少や、社会の基礎をなしていたキリスト教的価値観の弱まりといった問題を指摘。教皇の訪問がマルタの人々の信仰を励まし、福音宣教におけるその証しを助けることができるように、と願った。