マルタ訪問:教皇「兄弟たちのために鼓動する善良な心を」
教皇フランシスコは、マルタ訪問2日目、ラバトの聖パウロの洞窟で祈られた。
教皇フランシスコは、マルタ共和国訪問2日目の4月3日午前、ラバトの「聖パウロの洞窟」で祈られた。
マルタ島西部のラバトは、小さいが、豊かな歴史に恵まれた町である。紀元60年、使徒聖パウロが裁判のためにローマに船で護送されていた時、暴風に襲われ、船が難破し、マルタ島の入り江に乗り上げた。この経緯は使徒言行録(27章、28章)に詳しく語られている。伝承によれば、ラバトの洞窟は、マルタに上陸後のパウロが滞在した場所であるという。パウロはマルタに3ヶ月滞在し、同地にキリスト教をもたらした。
「聖パウロの洞窟」には、1990年に聖ヨハネ・パウロ2世が、2010年にベネディクト16世が巡礼している。
教皇フランシスコは、この朝、「聖パウロの洞窟」を訪れ、岩に囲まれ、壁の奥に聖パウロの像が立つ小さな空間に入られた。
ろうそく台に火を灯された教皇は、唱えた祈りの中で聖パウロの遭難と、その時マルタの人々が示した温かいもてなしを思い起こしつつ、「わたしたちにも兄弟たちのために鼓動する善良な心をお与えください」と神に祈られた。
そして、教皇はこの「聖パウロの洞窟」訪問で、「異邦人の使徒、この地の民の信仰の父である聖パウロを記念するこの聖なる場所で、マルタの人々に慰めの霊と福音宣教への熱意をいつもお与えくださるよう主に祈ります」と記帳された。
次いで、教皇は聖パウロに捧げた教会で信者らと共に再び祈りを唱え、無限にいつくしみ深い神に、マルタの人々の信仰の成長を託された。
そして、教皇は、聖堂内に集った病者やホームレスの人々、また地元の施設で治療中の薬物依存症患者らに祝福を与えられた。
03 4月 2022, 11:36