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聖ペトロ・聖パウロ:教皇、キリストの弟子・宣教者の使命を強調

ローマの保護者である「使徒聖ペトロ・聖パウロ」の祭日、バチカンでミサが捧げられた。

 カトリック教会の典礼暦は、6月29日(水)、教会の柱であり、ローマの保護者である二人の使徒、「聖ペトロと聖パウロ」を祝った。

 同日午前、教皇フランシスコは、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、この両聖人の祭日のミサをとり行われた。

 ミサの中で教皇は、この一年間に任命された世界の首都大司教たち44名に託す「パリウム」を祝別された。パリウムは聖アグネスの日に祝別された子羊の毛で織った白く細長い肩掛けで、六箇所に十字が刺繍されている。これを祭服の上から肩にかけることは、迷子の羊を背負う「善き牧者」を象徴する。

 また、教皇はミサに参列した正教会のエキュメニカル総主教庁の使節に挨拶をおくられた。バチカンとエキュメニカル総主教庁は、それぞれの保護者、使徒聖ペトロ・聖パウロの祭日と聖アンデレの祭日に使節を交換している。

 このミサは、枢機卿会主席ジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿によって司式され、教皇によって説教が行われた。

 説教で教皇は、第一朗読「使徒言行録」(12,1-11)中の、ヘロデによって牢に繋がれたペトロに天使が言った「急いで起き上がりなさい」(12,7)という言葉、そして、第二朗読「テモテへの手紙2」(4,6-8、17-18)中の、パウロが自身の人生と使徒職を振り返る「戦いを立派に戦い抜いた」(参照4,7)という言葉から、今日の教会へのメッセージを読み取られた。

 使徒言行録には、ペトロが鎖で繋がれていた牢から天使に連れ出される場面が記される。主の天使は眠っていたペトロの脇腹をつついて起こし、「急いで起き上がりなさい」と言った。この場面に「復活」の意味を見出した教皇は、天使はペトロを死の眠りから覚まし、起き上がるように、すなわち復活し、主に導かれ、すべての閉じた門を越えて、光の方へと出ていくように促した、と話した。

 教皇は、わたしたちもまた、主の弟子として、キリスト教共同体として、急いで起き上がり、復活の力の中に入り、主に導かれ、主が示される道を行くよう招かれている、と語った。

 また、第二朗読「テモテへの手紙2」の中で、人生を走り続け、数知れない試練、迫害、苦しみを乗り越え、自己をあまねくキリストの福音のために捧げてきたパウロは、「戦いを立派に戦い抜いた」と、自身を振り返っている。

 今、パウロは人生の終わりにあたり、歴史の中にまだ大きな「戦い」が続いているのを見ている、なぜなら、まだ多くの人が自分の利害や安楽さのためにイエスを受け入れていないからである、と教皇は指摘。パウロは自分が人生を走り終えつつあるこの時、テモテやキリスト教共同体の兄弟たちに、この福音宣教の使命を受け継ぐよう励ましている、と話した。

 教皇は、パウロのこの言葉は、わたしたちにとっても「人生の言葉」であると強調。この言葉は、わたしたち一人ひとりに教会の中で弟子・宣教者としてそれぞれ貢献する使命をあらためて思い出させるもの、と述べられた。

 「自分は教会のために何ができるだろうか」、「わたしたちは、より人間的で、正義と連帯にあふれ、神と兄弟に開かれた世界のために、教会として共に何ができるだろうか」と問うよう教皇は招きつつ、この世のパン種となり、いたわりの文化を推進し、弱い立場の人々に寄り添い、あらゆる形の腐敗と戦い、人々の生活に福音の喜びを輝かせること、それがわたしたちの「戦い」なのである、と説かれた。

 

29 6月 2022, 15:45