バチカン国務長官 ピエトロ・パロリン枢機卿 バチカン国務長官 ピエトロ・パロリン枢機卿 

パロリン枢機卿、まもなく始まる教皇のカナダ訪問について語る

教皇フランシスコのカナダ訪問を前に、国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿はバチカンのメディアにこの訪問について説明した。

 バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿は、バチカンのメディアに、まもなく始まる教皇フランシスコのカナダ訪問について語った。

 パロリン枢機卿は、このカナダ訪問は教皇が強く望まれていたものであり、その中心には先住民の人々とカナダの教会との抱擁がある、と話した。

 教皇は多くの海外訪問や、バチカンでの謁見、また、使徒的勧告「愛するアマゾン」などを通して、これまで先住民の人々に対する大きな関心を表してきた、と同枢機卿は指摘。

 今回の教皇のカナダ訪問は、バチカンで今年3月・4月に行われた同国の先住民代表との出会いにおいてこれらの人々の苦しみに耳を傾けた後、より広い分かち合いの機会を求めて行われる、「悔悛の巡礼」である、と述べた。

 教皇はカナダ訪問でそれぞれ遠く離れたいくつかの地域を旅し、そこで生活する先住民共同体を訪ねられる。招きに応え、すべての場所を訪れることは不可能であるが、教皇はこの訪問によって具体的な寄り添いを表すことを望まれており、まさにこの寄り添いこそ、今回の訪問のキーワードとなるだろう、とパロリン枢機卿は語った。

 また、同枢機卿は、教皇が今年4月1日、カナダの先住民を代表するグループとの会見で、多くのキリスト教徒が福音を証しするかわりに、当時の植民地主義的メンタリティーとかつての先住民同化政策に沿って、先住民共同体を深く傷つけたことに悲しみと恥の念を表明されたことを思い起こした。

 先住民の子どもたちを家族から引き離した、いわゆる寄宿学校において、一部のカトリック信者らが果たした役割は非常に悲しむべきものである、と同枢機卿は話し、このような歴史的背景が、教皇の訪問の悔い改め的な性格を形作っている、と説明した。

 一方で、パロリン枢機卿は、この訪問では当然、傷のいやしと和解が中心テーマとなると思われるが、ローマでの先住民グループとの出会いで示されたように、そこで兄弟愛と希望のしるしを見ると共に、先住民の人々の豊かな教えと価値を再発見する機会ともなるだろう、と語った。

 教皇のカナダ訪問のモットー「共に歩む」について、同枢機卿は、このモットーはカナダの教会と先住民共同体との間で始まった和解といやしのプロセスを示すだけでなく、互いに傾聴し、対話し、共同体的・司牧的な識別を行う教会のあり方に皆を招く、「シノドス」という言葉を喚起させるもの、と話した。

 今日、多くの分野で、この「共に歩む」姿勢がいっそう不可欠なものとなっている、と述べた同枢機卿は、実際、共に歩んでこそ、希望の未来を築き、それに向かって自らを開くことができるだろう、と語った。

 

23 7月 2022, 15:03