カナダ:教皇「植民地主義の恐ろしい結果」からのいやし祈る

教皇フランシスコは、カナダ・エドモントン西方のラック・サンタンヌへ巡礼された。

 教皇フランシスコは、7月26日、カナダのエドモントンから西方72kmのラック・サンタンヌへの巡礼に参加、同地でみことばの祭儀をとり行われた。

 ラック・サンタンヌは、アルバータ州の中北部の湖で、19世紀よりカトリック信者たちの巡礼先となった。

 水深の浅いこの湖は、代々の先住民たちからいやしの場所として知られ、「神の湖」「霊の湖」と呼ばれていた、1842年、アルバータに初めて定住した宣教師、ジャン・バティスト・ティボー神父は、この湖をラック・サンタンヌ(「聖アンナ湖)の意)と名付けた。

 1844年、最初の教会が築かれ、1852年、オブレート会の宣教師たちが活動を開始。1889年7月、同会によって最初の巡礼が企画され、これに400人あまりが参加した。

 以来、毎年7月26日、おとめマリアの母でイエスの祖母、聖アンナの祝日の週に巡礼が行われるようになり、やがて北米で最も重要な巡礼の一つとなった。今日も、ファースト・ネーションの人々をはじめ、カナダや米国北西部から毎年多くの巡礼者らが、湖の水に足を浸し、祈るためにやって来る。

 聖ヨアキムと聖アンナを祝った7月26日、教皇は地元の信者や巡礼者たちと共に、ラック・サンタンヌへの巡礼に参加された。

 青空が広がったこの日、湖にほど近い小教区教会から、教皇は数人の先住民たちに伴われ、湖畔に車椅子で向かわれた。湖への道が続く緑地公園には、多くの巡礼者たちが集い、教皇を歓迎した。

 水際に到着された教皇は、しばし祈りの時を持った後、大きなガラスの鉢に入った湖の水を祝別。そして、巡礼者たちに向け灌水棒で散水を行われた。

 続いて、教皇は緑地帯に設けられた集会所で、巡礼者らと共にみことばの祭儀をとり行われた。

 この中で、教皇は、すべての人が、魂とからだの医者であるイエスのいやしを必要としている、と述べた。

 そして、教皇は、特に「先住民の兄弟姉妹が受けた暴力のトラウマ」と、「植民地主義の恐ろしい結果」、「多くの家族の消し難い苦しみ」からのいやしを神に祈り求めた。

 これらの傷のいやしには、わたしたちの具体的な努力が必要だが、それだけでは足りない、と話す教皇は、主の助けを願い、イエスの母聖マリアと、祖母聖アンナの取次ぎを熱心に祈られた。

27 7月 2022, 11:26