教皇「福音のために信頼ある証しを」カナダの教会関係者に
教皇フランシスコは、7月28日午後、ケベック大司教区の司教座聖堂、ノートルダム・ド・ケベック大聖堂で、カナダのカトリック教会関係者らと夕べの祈りをとり行われた。
現在の同大聖堂がそびえている場所に、1633年、最初の礼拝堂が築かれ、1647年、平和の聖母に捧げた教会が建てられた。1664年、ここに設立された小教区は、メキシコ以北の北米で最も古い小教区である。1674年、同様に、メキシコ以北で最も早くここに司教座が置かれた。最初のカテドラルは、1759年、英軍の砲撃で破壊された。二度目に建てられた聖堂は、1922年に焼失。その後、かつてのプランに沿って再建された。
夕べの祈りが行われた同大聖堂には、カナダの司教、司祭、助祭、修道者、神学生、そして司牧活動にたずさわる信者らが集った。
説教で、「わたしたちはキリストのしるしである」と述べた教皇は、「使徒ペトロは、羊たちの世話をし、導き、あなたがたが自分たちのことで頭がいっぱいである間に、羊たちが道に迷わないように留意しなさい、とわたしたちに呼びかけている」と話された。
教皇は司牧者らに、信者たちの世話に献身と優しさをもって取り組むよう願うと同時に、それを義務や役所の仕事のように行うのではなく、牧者の心をもって情熱的に行うようにと励まされた。
「信仰の喜びを今日の人々に与えるために、福音を告げなくてはならない」と述べた教皇は、そのために努力すべき3つの挑戦を示された。
教皇は、その一つとして、霊的砂漠である今日に、司牧的創造性をもって「イエスを知らせる」道を探求するよう望まれた。
また、福音を告げるには、「信頼性ある証し」が必要、と指摘。教皇は、未成年虐待をはじめ、カナダの教会が犯した悪を見つめ、同国の教会関係者と共にすべての被害者に赦しを乞われた。
カナダの教会の先住民の人々とのいやしと和解の歩みを思いながら、教皇は、キリスト教共同体が二度と文化的な優越思想に巻き込まれることがないように、と説かれた。
最後に、教皇は教会内の「兄弟愛」の大切さに触れ、兄弟愛を育ててこそ、キリスト教共同体は、兄弟姉妹として互いにいたわり合い、一緒に共通善のために働く場として、人間性の学び舎となることができるだろう、と話された。
教皇はカナダの教会を、同国の教会の父にして、最初の司教、聖フランソワ・デ・ラヴァルに託して祈られた。