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カナダ:教皇、サンタンヌ・ド・ボープレ巡礼聖堂でミサ

教皇フランシスコは、カナダ・ケベック州、サンタンヌ・ド・ボープレの巡礼聖堂でミサをとり行われた。

 教皇フランシスコは、7月28日(木)午前、カナダ、ケベック・シティーから30kmの近郊、サンタンヌ・ド・ボープレの巡礼聖堂でミサをとり行われた。

 ケベック州の保護者、聖アンナの名を冠したサンタンヌ・ド・ボープレは、北米で最も古い巡礼地として知られ、カナダの国定聖地となっている。1658年に、最初の教会が、人々の信心を集めていた木製の聖アンナ像を安置するために建設された。その際、脊椎側弯症のために松葉杖の補助なしでは歩行できなかった一人の信者がこの建設に加わったところ、礎石を据えた段階でいやされ、杖なしで歩けるようになった。このことが広く伝わり、地域の入植者や、受洗した先住民たちの巡礼地になっていった。その後、老朽化や火災などで、何度か再建され、1923年に建設された今日見る大聖堂に至っている。

 ミサの説教で教皇は、ルカ福音書の「エマオの旅人」のエピソードを観想。エマオへの道のりで、イエスに出会った弟子たちの歩みを、一人ひとりの歩み、また教会の歩みと重ねられた。

 エマオに向かう弟子たちの旅は、わたしたち個人の、また教会の歩みをイメージさせるもの、と教皇は指摘。

 人生の道、信仰の歩みを、わたしたちは夢や計画や希望を抱いて進むが、その途上で自分の弱さや失敗、失望を味わい、その挫折感に閉じ込められ、身動きできなくなる時がある。しかし、まさにその時、主はわたしたちに会いに来られ、そばに寄り添い、わたしたちと歩みを共にしてくださる、と話した。

 教皇は、この福音のエピソードは、悪の暴力や恥や罪の意識に茫然とし、わたしたちの人生が罪や失敗によって干上がり、何もかも失ったと思われる時こそ、まさにその落胆と苦しみの中に、主が近づき、共に歩いてくださることを教えている、と語った。

 一方で、教皇は、失望の中で襲われる「逃げたいという誘惑」に打ち勝つことの大切さをも強調。

 エマオに向かう弟子たちにも、エルサレムで見たイエスの受難から遠く離れ、「静かな場所」を求めたいという気持ちがあっただろう、と述べつつ、人生の失敗において、立ち向かわずに逃げ出すことは最悪であり、その敵の誘惑は、わたしたちの霊的歩みや、教会の歩みを脅かすもの、と注意を促された。

 教皇は「わたしたちの道、力、慰めである主イエス」に、エマオの弟子たちのように「一緒にお泊りください」と願い、「人生の苦しみの闇が朝の輝きに変わり」、「新しいいのちの希望が開けるよう」、「共に歩いてください」と主に祈ろう、と呼びかけられた。

29 7月 2022, 08:16