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イタリア・リミニで開催の2022年度「市民間の友情のためのミーティング」 イタリア・リミニで開催の2022年度「市民間の友情のためのミーティング」 

「世界に人間への情熱を広げよう」教皇、リミニ・ミーティングに

教皇フランシスコは、イタリア・リミニで開催の「市民間の友情のためのミーティング」にメッセージをおくられた。

 教皇フランシスコは、イタリアのリミニで8月20日から25日まで開催される「市民間の友情のためのミーティング」にメッセージをおくられた。

 「市民間の友情のためのミーティング」(ミーティング・リミニ)は、国・宗教・文化・職業を超えた人々の出会いと対話を育み、友情と連帯を生み出すことを目的とする毎年恒例の交流イベント。1980年、カトリック運動「コムニオーネ・エ・リベラツィオーネ」の有志によって始まったこのミーティングは、今日、多様な分野からの広い参加を得る文化行事として定着している。

 教皇は、同イベントの開催にあたり、フランチェスコ・ランビアージ、リミニ司教に宛て、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿を通しメッセージを寄せられた。

 この中で、2022年度のミーティングのテーマ「人間への情熱」に触れた教皇は、「コムニオーネ・エ・リベラツィオーネ」の創始者で今年生誕100年を迎えたルイジ・ジュッサーニ神父(イタリア1922-2005)の、「キリスト教は一つの宗教を創ろうとして生まれたのではない。それは人間への情熱から生まれた」という言葉を回想。

 さらに、同じくジュッサーニ神父の、「『あなたが心にかける人間とは何なのか、人の子よ、なぜあなたは人間の世話をするのか』人生の中でこの問いほどわたしに衝撃を与えたものはない」という言葉をも引用された。

 教皇は、キリストの一人ひとりの人間に対する情熱は、わたしたちの他者に対する眼差し、計算や制限のない無償の愛を励ますものである、と述べた。

 また、その一方で、多くの対立や、利己主義、一部の利益の優先などが見られる今日の世界において、自分の隣にいる人を尊重し、守り、世話する存在として見つめること、他者と自分を隔てる距離を埋めることは容易ではない、と述べている。

 今日の社会は、バルコニーから説法をするのではなく、道に降り、信頼しうる希望に支えられて、人々の日常生活の苦労を分かち合う人を必要としている、と教皇は強調。

 すべての人間の尊厳の根源、普遍の兄弟愛の可能性は、キリスト教共同体の生活において体現されたイエスの福音にある、と記された。

 教皇は、同ミーティングが市民間の友情を育みながら、世界に人間への情熱を広げることができるよう、励ましをおくられた。

19 8月 2022, 12:51