アジア司教協議会連盟50周年記念総会に教皇のメッセージ
アジア司教協議会連盟(FABC)は、10月12日、タイのバンコクで同連盟創立50周年を記念する総会を開会した。
FABCは、1970年に誕生した、アジア各地の司教協議会が参加する組織。
1970年、教皇聖パウロ6世のマニラ司牧訪問を機会に、アジアの180人の司教が同地に集い、後半教皇の臨席を得て一週間の会合を開いた。この時、司教らはアジアの司教協議会のための組織を設けることに賛同し、これによってFABCが誕生することになった。
2020年に予定されていたFABC創立50周年記念総会は、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で延期され、今秋の開催となった。
この開催に先立ち、8月22日、バンコクで総会に向けての歩みを準備する典礼がとり行われた。
10月12日に幕開けした同総会は、同月30日まで続く。
総会初日、教皇フランシスコはFABCに加盟するアジアの司教らに向けてビデオメッセージをおくられた。
その中で、教皇は次のように話された。
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親愛なる兄弟たち、アジア司教協議会連盟のメンバーの皆さん
皆さんは、1970年に司教たちの会合を始めました。わたしの先任者、聖パウロ6世がアジアを訪問した時、そこで見たのは大部分が若い人からなる、巨大な人口を持つ大陸でした。そして、アジアは多様な文化と宗教の家であるとの認識を持ったのです。
司教たちは、多くの人々が運命論から人間としてふさわしい生活へと目覚めつつあることに気づきました。若者たちも目覚めつつありました。彼らは理想家で、自覚し、心配し、待ちきれず、心を騒がせていました。多様な文化の社会が人民の真の共同体となるために目覚めようとしていました。
それは、アジアの教会がより正真の方法で、貧しい人々の教会、若者たちの教会、他の宗教のアジアの仲間たちと対話する教会となるために召されていることを意味していました。
皆さんが集っている今、兄弟愛と実現させるべき理想の交換の作業において、わたしは何らかの形で皆さんを見守りたく思います。地域の司教協議会がある種の熱心さをもって集うのは重要なことです。そうした歩みの中で、教会は形作られ、強められていきます。
本質的な問いとは、聖霊はアジアの教会に何を語りかけているか、ということです。そして、皆さんはそれに対し答えなくてはなりません。
前進していきましょう。信徒たちが自分が受けた洗礼と、その役割を背負うことができますように。そして、すべての人の個性が尊重されますように。なぜなら、普遍の教会とは画一的な教会ではなく、それぞれの教会の特性の尊重のもとにある、普遍的なものだからです。
神があなたがたを祝してくださるよう祈ります。皆さんもわたしのために祈ってください。
ありがとうございました。