名誉教皇ベネディクト16世のための葬儀前弔問始まる
昨年大晦日に逝去した名誉教皇ベネディクト16世の葬儀を1月5日(木)に控え、一般の人々の弔問が、1月2日(月)午前9時より、バチカンの聖ペトロ大聖堂で始まった。
逝去後、ベネディクト16世のご遺体は、退位後のお住まいであり、亡くなった場所でもある、バチカン市国内のマーテル・エクレジエ修道院の礼拝堂に安置された。
バチカンの小高い丘の上にある同修道院には、1日午後、友人や、かつての協力者であった枢機卿や司教たち、職員、修道者、学生など、名誉教皇と生前ごく親しい関係にあった人々が、最後の別れを告げるために次々訪れた。
ベネディクト16世の枕元では、秘書であったゲオルグ・ゲンスヴァイン師が絶えず付き添いながら弔問に対応し、礼拝堂の中では、名誉教皇の身の回りの世話を家族のように長年行ってきた修道女らが静かにロザリオで祈っていた。
2日午前7時15分、ベネディクト16世のご遺体は、10年近く暮らした修道院を出発。ゲンスヴァイン師や儀式係の職員、また親しい人々からなる行列と共に、まだ暗いバチカンの庭園を横切りながら、聖ペトロ大聖堂へと向かい、7時40分頃に聖堂の後陣脇の扉に到着し、堂内へ入場した。
ベネディクト16世のご遺体は、同日9時から、ローマ教皇逝去の際の伝統に倣い、大聖堂内の中央祭壇前に顕示された。
この日、夜明け前から並んだ人々をはじめ、多くの市民、巡礼者らが大聖堂を訪問、故名誉教皇と対面し、冥福を祈った。
この間、イタリアのマッタレッラ大統領や、メローニ首相ら、各界要人の弔問も相次いだ。
大聖堂に入場する人々の列は夜まで続き、バチカン警察の発表によれば、この一日でおよそ6万5千人がベネディクト16世との別れの時間を持った。
ベネディクト16世のための葬儀前弔問は1月4日(水)まで、バチカンの聖ペトロ大聖堂で午前7時から19時の間行われる。
名誉教皇の葬儀は、1月5日(木)午前9時30分より、バチカンの聖ペトロ広場で、教皇フランシスコによりとり行われる。