教皇、環境保護における先住民族の本質的役割を強調
教皇フランシスコは、ローマで開催された先住民族フォーラムの国際会議参加者とお会いになった。
ローマの国際農業開発基金(IFAD)本部で、2月9日より、「先住民族フォーラム・グローバル・ミーティング」が開かれている。
第6回目となる今会議のテーマは、「先住民族の気候をめぐるリーダーシップ:回復力と生物多様性を向上させるための共同体に基づく解決」。
2月10日、同会議の参加者らはバチカンを訪問し、教皇フランシスコとの出会いを持った。
教皇は関係者への挨拶で、このミーティングが、先住民族の環境保護における本質的役割を認識し、気候変動問題のグローバルな解決のためにその知恵に注目する機会となることを期待された。
「わたしたちは前例のない社会と環境の危機に直面している」と述べた教皇は、「わたしたちの『共通の家』である地球をいたわり、生活環境を改善するためには、生活スタイルと消費モデルの深い変化が不可欠であり、そのためにも先住民族の声に耳を傾け、その生き方から学ぶことが大切」と話された。
今日、西洋文化の社会を支えてきた力の構造を見直すプロセスがこれまでになく求められている、と教皇は語りつつ、同時に、植民地主義や、排除や差別の関係を改め、地球の未来のための新たな対話が開かれつつあることを指摘された。
環境保護を考える上で、先住民族の共同体を無視することは重大な不正義であるばかりでなく、大きな過ちであり、むしろその文化遺産と受け継いだ技術を、より良い環境管理のために役立てるべきと教皇は話された。
こうした中、教皇は、先住民族共同体の自立的発展の歩みにおける国際農業開発基金の支援に感謝を表明。そして、自然保護に取り組むすべての関係者に励ましをおくられた。
10 2月 2023, 12:56