「闇の中のともし火のように」教皇、コンゴ民主共和国の教会関係者と
教皇フランシスコは、コンゴ民主共和国訪問3日目、同国のカトリック教会関係者との出会いを持たれた。
コンゴ民主共和国の宗教人口は、キリスト教徒約80%、イスラム教徒と伝統宗教それぞれ約10%から構成される。このうちカトリック教会の信者は、人口のおよそ半分を占めている。5千万人近いカトリック信者を擁する同国は、アフリカ大陸の中で最大のカトリック国として知られる。
2月2日午後、「コンゴの聖母」に捧げられたキンシャサのカテドラルには、司祭、助祭、修道者、カテキスタらが集った。聖堂の周辺にも多くの信者たちが詰めかけ、教皇を熱心に歓迎した。
カテドラルに到着した教皇は、聖堂入り口で差し出された十字架に接吻し、聖堂内にある歴代のキンシャサ大司教らの墓前で祈った。
折しも、カトリック教会の暦で「主の奉献」を祝い、「世界奉献生活の日」を記念したこの日、教皇は祈りと、清貧、内的自由、常なる育成の大切さを、教会関係者らに強調された。
教皇は、司祭や奉献生活者が、人々に奉仕するかわりに、自分自身に奉仕するならば、その司祭生活・奉献生活は無味乾燥なものとなるだろうと警告。
司祭であること、奉献生活者であることは、ある種の社会的地位を得るためでも、自分の家族に優遇を与えるためでもない。それは、キリストの現存のしるし、キリストの無条件の愛と、和解をもたらす赦し、貧しい人々をいたわるいつくしみを証しするという使命のためである、と説かれた。
教皇は、司祭生活・奉献生活を害する3つの誘惑、「霊的なまぬるさ」「世俗的安穏」「表面的にとどまること」に注意を向けさせた。
そして、霊的危機に打ち勝つための深い内的な祈りや、富や世俗にとらわれない簡素さと内的自由、表面的な信仰にとどまらないための霊的・神学的育成、福音への情熱の必要を助言された。
また、教皇は、キリストを証しするには言葉だけでは十分でなく、生き方をもってそれを示すべき、と述べ、イエスの後に従い、闇の中に常に光るともし火のように、人々に寄り添いと慰めをもたらして欲しい、と教会関係者らに願われた。