教皇「南スーダンに希望と平和が宿るように」
教皇フランシスコの南スーダン訪問は、2月5日、最終日を迎えた。
この朝、教皇は首都ジュバのジョン・ガラン霊廟で、南スーダン滞在中最後の公式行事となるミサをとり行われた。
ミサの後半、教皇は同国訪問で受けた歓迎に礼を述べると共に、南スーダンの国民に希望と平和のメッセージをおくられた。
教皇は、ミサのために遠くから何時間、あるいは何日もかけてやってきた参加者らの苦労をはじめ、人々が示す親愛、その信仰と忍耐、善への努力、神に労苦を捧げながら前に進んでいく勇気に深い感謝を表された。
「南スーダンには、スーダンの教会と結ばれた、勇気ある教会があります」と述べた教皇は、スーダン出身の聖ジュゼッピーナ・バキータに触れつつ、自分が受けた苦しみを、神の恵みのもとに、希望へと変容させた、この偉大な女性を思い起こされた。
そして、教皇は、「彼女のために生まれ、彼女を贖ったその希望を、聖バキータは自分だけのものにしておくことはできませんでした。この希望は多くの人に、すべての人に届くべきものでした」(ベネディクト16世 回勅 希望による救い)という前教皇の言葉を引用。
「『希望』というこの言葉を、分かち合うべき賜物、実りをもたらす種として、皆さん一人ひとりに残したいと思います」と語られた。
また、教皇は、聖バキータの生き方が示すように、この地において、希望は特に女性を特徴づけているもの、と述べ、南スーダンのすべての女性たちに特別な祝福をおくられた。
さらに、教皇は「希望」に添えたいもう一つの言葉として、この数日間の訪問のテーマでもあった「平和」という言葉を掲げられた。
教皇は、イングランド国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教、スコットランド国教会の総会議長イアン・グリーンシェルズ牧師と一緒に行ったこの平和の巡礼を振り返りながら、「これからもわたしたちは皆さんの和解と平和への歩みを見守り、出来る限りのことをするでしょう」と約束された。
この和解と平和の歩みをもう一人の女性、平和の元后、聖母マリアに託したい、と述べた教皇は、南スーダンをはじめ、ウクライナのように戦争に苦しむ多くの国々の、また世界の平和を、聖母に委ねて祈られた。
「わたしたちは、それぞれの場所に帰っても、皆さんを忘れることはありません。皆さんはわたしたちの心の中に、世界のキリスト者の心の中にあります」と呼びかけつつ、教皇は「希望を失ってはなりません。平和を築くチャンスを逃してはなりません。南スーダンに希望と平和が宿りますように」と祈られた。