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教皇フランシスコ、ハンガリーの各界要人との会見で 2023年4月28日 教皇フランシスコ、ハンガリーの各界要人との会見で 2023年4月28日

教皇「歴史と橋と聖人の街、ブダペスト」から平和を考える

教皇フランシスコは、訪問先のハンガリーで、同国の各界代表と会見された。

 教皇フランシスコは、4月28日(金)、ハンガリー司牧訪問の初日、同国の各界代表および駐在外交団と会見された。

 この会見は、ブダペスト市内の旧カルメル会修道院で行われた。18世紀半ばに修道院として作られたこの建物は、同世紀末期にはヨーゼフ2世により劇場とされた。第二次世界大戦で大きな被害を受け、修復後、国立ダンス・シアターとなり、2019年からは首相のオフィスとして使用されている。

 教皇はこの席で、ブダペストを「歴史の街」「橋の街」「聖人の街」の3つの観点から捉えつつ、関係者への平和のメッセージをおくられた。

 今から150年前の1873年、ドナウ川沿岸の3つの町、西岸のブダ、オーブダ、東岸のペストを合併してブダペストが生まれた経緯を振り返った教皇は、ヨーロッパ大陸の只中に誕生した大きな首都の歴史を、統合へと歩み始めた当時のヨーロッパの歴史の流れと重ねられた。

 大戦後、ヨーロッパは国連と並び、これ以上の紛争を生まないという共通の目的において、大きな希望を表す存在であったが、今日、共同体的、多極的政治への情熱は過去の思い出となり、皆で一致して願う平和への夢は衰えてしまった、と教皇は述べ、こうした今こそ欧州の魂を、欧州の理念の提唱者たちの情熱と夢を、取り戻す必要があると話された。

 「ドナウの真珠」にたとえられるブダペストの特性は、まさに大河にかかる多くの橋が結びつけ、生み出す、各地区の調和した姿にある、と教皇は指摘。

 一致と統合が必ずしも画一性を意味しないこの調和をヨーロッパは必要としていると話された。

 ブダペストはまた多くの聖人たちの街であると語りながら、教皇は特にハンガリーの最初の王、聖ステファノ(イシュトヴァーン1世)が息子に遺した、「自分の家族や親戚、あるいは権力者や富める者、または隣人や住民だけに親切にせず、外国人にも親切にしなさい」という言葉を思い起こされた。

 今日多くの議論を生んでいる移民の受け入れ問題に触れた教皇は、イエスに深く倣った聖ステファノが伝えた態度は、キリスト者が取るべき基本的な態度であると述べつつ、紛争や、貧困、気候変動などから逃げてきた兄弟姉妹たちの中にキリストご自身を見出すよう招かれた。

 そして、ヨーロッパが、この歴史的な挑戦に立ち向かうべく、押し返すのではなく、共に生きる未来を準備し受け入れるための、安全で法的なメカニズムを分かち合う必要を説かれた。

28 4月 2023, 16:05