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教皇「倒れても立ち上がり、再び歩み出そう」WYD大会閉会の前夜祭

「ワールドユースデー・リスボン大会」の記念ミサと閉会を翌日に控え、教皇フランシスコと若者たちによる前夜祭が祝われた。

 「ワールドユースデー(世界青年の日)・リスボン大会(8月1日−6日)」の記念ミサと閉会を翌日に控えた8月5日(土)午後、教皇フランシスコとおよそ150万人の若者たちは、広大なテジョ公園で前夜祭を祝った。

 「ワールドユースデー・リスボン大会」の前夜祭と大会記念ミサの会場となったテジョ公園はテジョ川(タホ川)右岸の90ヘクタールの緑地帯で、1998年の「リスボン国際博覧会(Expo1998)」を機会に整備された。

 前夜祭と翌朝の記念ミサのために、5日朝からWYD参加者たちの「大移動」が始まり、若者たちはリュックや寝袋、テントを背に、それぞれの宿泊所から会場までの、時には10km近い道のりを徒歩や様々な手段で移動。前夜祭が開始される頃には、150万近い参加者らが会場を埋めた。

 一方で、リスボン市は、テジョ公園での行事に参加できない人や、高齢者たちのために、市の中心部の公園に大型スクリーンと約3千の席を用意した。

 前夜祭は音楽や舞踏で彩られ、若者たちはダンス・パフォーマンスを通して、「出会う」「立ち上がる」「出発する」という3つの動きを表現した。

 教皇は参加者への言葉で、マリアが受胎告知のすぐ後に、自分と同じように身ごもっている親類のエリザベトに会うため、『出かけて、急いで山里に向かった』(ルカ1.39)のはなぜだろうか、と問われた。

 マリアはそうするように頼まれたわけではなく、義務を負っていたわけでもない。マリアが出かけたのは愛のため、「愛する者はかけ上がり、喜んで走る」(参照:「キリストにならう」III,5)からである、と教皇は話した。

 また、教皇は、マリアは自分のことを考えるより、他者のことを考えた、それは喜びとは宣教的なもの、誰かに伝えるべきものだからである、と説明。

 わたしたちが持っている喜びも、誰かが伝えてくれたものである、と教皇は指摘しつつ、両親や、祖父母、友人、司祭、修道者、教師など、わたしたちの心に喜びと光をくれたすべての人々を、喜びの根源として振り返ることの大切さを示された。

 喜びを発見し、自分が受け取った喜びを分かち合う歩みの中で、しばしば疲れることがあっても、重要なのは「倒れないことではなく、倒れたままでいないこと」と教皇は強調。

 歩み、転び、誰かに助けられながら立ち上がり、倒れたままでいないで、再び歩み出すこと、また、友人が倒れていたら、立ち上がらせること、これらすべてを、教皇は「人生の学び」「歩みの練習」として示された。

 人生の中では「ただ」のものはないが、唯一無償なのはイエスの愛である、と述べた教皇は、「イエスの愛と共に、熱意と希望をもって、自分たちのルーツを見つめながら、恐れることなく歩んで行こう」と若者たちを励まされた。

 前夜祭の後半には、聖体降福式が行われ、若者たちは聖体礼拝の後、聖体顕示台を用いた荘厳な祝福を受けた。

 前夜祭終了後、多くの若者たちは会場で夜明けを待ち、閉会日の大会記念ミサに備えた。

WYDリスボン大会:記念ミサの前夜祭に参加する日本公式巡礼団 2023年8月6日 リスボン・テジョ公園
WYDリスボン大会:記念ミサの前夜祭に参加する日本公式巡礼団 2023年8月6日 リスボン・テジョ公園
06 8月 2023, 07:52