「WYDの体験から何を持ち帰るべきか」教皇、閉会の記念ミサで
ポルトガルの首都リスボンで8月1日(火)より開催されてきたカトリック教会の「ワールドユースデー(世界青年の日)大会」は、6日(日)、閉会日を迎えた。
同じくテジョ公園で行われた5日(土)の前夜祭の後、会場に残った参加者たちは、朝日の中で準備を整え、教皇の入場とミサの開始を待った。
特別車パパモービルで到着した教皇フランシスコは、およそ150万人の若者が集い、色とりどりの国旗がたなびく広大な会場を回りながら、参加者の歓声に応え、祝福を与えられた。
「ワールドユースデー(世界青年の日)大会」の締めくくりとなるこのミサは、教皇と、約700人の司教、そして1万人以上の司祭たちと共同司式された。
「主の変容」を祝ったこの日、ミサの説教で教皇は、福音朗読箇所、マタイ福音書中の、高い山に登ったイエスの姿が変容する場面(マタイ17,1-9)を観想された。
イエスの変容の出来事を前に、「主よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです」(マタイ17,4)と言ったペトロの言葉は、ワールドユースデー大会でイエスの言葉に耳を傾け、イエスのそばにいたわたしたちの言葉でもある、と教皇は述べた。
これから普通の生活に戻るわたしたちは、この体験から何を持ち帰るべきか、と問いながら、教皇はイエスの変容のエピソードに登場する、「輝く」「聞く」「恐れない」の3つの動詞を示された。
まず、「輝く」という動詞について、教皇は、ペトロ、ヤコブ、ヨハネを連れて高い山に登ったイエスの「顔は太陽のように輝いた」(参照 マタイ 17,2)とあるように、このあふれる光は、やがて訪れる受難の夜を乗り越えるために、弟子たちを助けることになった、と話した。
そして、今日のわたしたちも多くの人生の闇と向き合うために希望の光を必要としているが、まさにイエスこそが、陰ることなく、夜も輝き続ける光であると語られた。
次に、「聞く」という態度について、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」(17,5)と、御父の声がイエスを示すとおり、キリスト者の人生でなすべきことは「イエスに耳を傾ける」というただそれだけに要約される、と教皇は指摘された。
最後に、「恐れない」ことについて、教皇は、イエスは福音書の中で何度も「恐れてはならない」「恐れるな」と繰り返されている、と強調。
皆さんも自分の夢を実現できないのではないかと悲観に陥ったり、世界を変えること、正義と平和のために戦うことに限界を感じることがあっても、今日イエスは、まさに教会と世界の現在と未来である皆さんに向けて「恐れることはない」と言われている、と教皇は若者たちを力強く励まされた。
ミサの終盤、教皇はお告げの祈りに際し、次回のワールドユースデー大会の開催国を発表。2027年の大会は、韓国・ソウルで開催されることを告げられた。
また、教皇は、2025年の聖年においてローマで行われる「若者たちの聖年」行事に、世界中の若い人々を招かれた。