教皇フランシスコとイタリア聖書協会の会員・聖書学者たちとの集い 2023年9月7日 バチカン宮殿 教皇フランシスコとイタリア聖書協会の会員・聖書学者たちとの集い 2023年9月7日 バチカン宮殿  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

教皇、イタリア聖書協会の会員たちと

教皇フランシスコは、イタリアの聖書協会の会員や聖書学の教授らとお会いになった。

 教皇フランシスコは、9月7日(木)、イタリア聖書協会の会員や聖書学の教授らとの出会いを持たれた。

 この集いは、9月4日から8日までローマで開催されている、イタリア聖書協会主催の研究会議「第47回全国聖書週間」を機会に行われた。

 教皇は関係者への挨拶で、今回の聖書週間のテーマ「契約、普遍主義と選別主義の間で」に触れ、今会議の中で研究対象となった、ノア契約、アブラハム契約、シナイ契約の3つの「契約」について、今日の世界との関係に照らしてコメントされた。

 教皇は、神とノアとの契約は、人間と被造物との関係にはっきりと言及していると指摘。神は憎しみと暴力に傷ついた人類に、父としての正義をもって、希望と救いを再び与えられるが、その正義は、創造主の手が自然の中に刻んだリズムの再発見と尊重を通した、不可欠なエコロジー的側面を含有している、と話した。

 また、神とアブラハムの契約を、三大一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)に共通のテーマとして示された教皇は、死と戦争に動揺するこの時代、第2バチカン公会議が教えるように、唯一の神における共通の信仰は、わたしたちが兄弟として生きるように招き励ましている、と語られた。

 さらに、シナイ山において神がイスラエルの民と結ばれた契約について、教皇は、聖書において選別主義は常に普遍の善のためにあり、区別や排除に陥ることはないと述べ、「神が他の人々を除外するために誰かを選ぶことは決してない。それは常にすべての人々を抱擁するためである」と強調された。

 教皇は、イタリア聖書協会が同国における最初の神学関係の組織の一つとして、イタリア司教協議会と協力しながら、現在も様々な教区で、教区レベルの「聖書週間」などを通して聖書への関心を促進していること、また聖書研究と使徒職的役割において、教皇庁聖書委員会と模範的な協力関係にあることを喜ばれた。

 神の民が御言葉によって養われるように、聖書が皆にとっての遺産となるように、これからもその使命を邁進してほしいと、教皇はイタリアの聖書協会関係者らを励まされた。

07 9月 2023, 16:52