「支援とは教会のアイデンティティー」教皇、モンゴルの福祉事業関係者に
教皇フランシスコのモンゴル訪問は、9月4日(月)、最終日を迎えた。
この朝、教皇は、同国訪問中の最後の公式行事として、首都ウランバートル市内の支援施設「いつくしみの家」で、 カトリック系の社会福祉事業にたずさわる人々とお会いになった。
出会いが行われた「いつくしみの家」は、2019年にモンゴルのカトリック教会によって計画され、開設に向け準備が進められていたもので、この日教皇を迎え開所式が行われた。
同所の活動は、恵まれない子どもたちや、ホームレスの人々、医療サービスにアクセスできない人々、家庭内暴力の被害者、障害者、移民などへの支援や保護を目的としている。
教皇はモンゴル国内で福祉事業に関わるカトリック関係者への挨拶で、「使徒言行録」に見られるように、キリスト共同体はその初期より、イエスの言葉を実現するために様々な行いに取り組んでいた、と語り、教会活動の支援的側面は教会自身のアイデンティティーに基づくもの、と強調された。
初代教会が「交わり・典礼・奉仕・証し」を4つの柱として成り立っていたように、それから何世紀も経た今日、モンゴルの教会がその精神を伝統的住居「ゲル」の中心部を支える4本の柱のように受け継ぎ、それによって生まれたスペースの中に人々を受け入れていることは目を見張るものである、と教皇は話された。
教皇は支援事業をめぐり、「奉仕する人になるためには、お金持ちである必要はない」、「教会は改宗主義のために社会福祉に取り組むのではない。それは、キリスト者は苦しむ人々の中にイエスの御顔を見出すためである」、「福祉にはプロフェッショナル性が要求されるが、その活動が企業のようになってはいけない。愛の業における初心を保つことが大切」等、有益な助言を関係者に与えられた。
最後に、「いつくしみの家」の開所にあたり、教皇は除幕されたプレートを聖水をもって祝別された。
こうして、モンゴル訪問中の公式行事をすべて終えられた教皇は、帰国のため、チンギスハーン国際空港に向かわれた。